刀剣に関する法律について

 

■ はじめに ■

 

 日本古来の刀は美術品として価値の高いものが多く、今日では国民の文化的遺産として大切に保存されていますが、その所持等が「銃砲刀剣類所持等取締法」(略称「銃刀法」)によって銃砲と刀剣が一括して規制されているため、言葉の印象から、持つ人の資格が問われる猟銃等の所持許可や、一般人が持つことそのものが禁止されているけん銃等の武器と混同されているきらいがあります。刀は登録審査によって美術的価値が確認されれば、誰でもこれを所持することができるのです。

 もちろん登録を受けた刀であっても、所有者変更の際の届け出の義務や、所持に関しても変装刀剣類の禁止や、むやみな携帯等についての規制があり、守らなければならないことはたくさんあります。

 そこでこの『やさしいかたな』では、難しいと思われている刀に関する法律問題を中心に、質問・回答を交え、初心者にもわかりやすく解説し、より理解を深めていただこうとするものです。

 紙数の関係ですべてを網羅するには至っておりませんが、ここに取り上げることは、刀を持とうという人にとっては最低限の常識とも言えることばかりです。

 わが国の長い歴史の中で大切に伝えられてきた刀を正しく後世に伝えることは、現代に生きるわれわれの使命です。そのためにも、正しい知識を身につけることをお勧めします。

 

 「やさしいかたな」 全国刀剣商協同組合:発行より