刀に関するQ&A

 

■ 刀に関するQ&A ■

 

Q 刀はいくらぐらいから買えるのですか?

A 刀は一振一振異なり、作られた時代や製作地、流派などによって顕著な個性が表れるものです。そのために鑑定も可能なのです。一概に価格の目安を示しにくいのですが、目的と予算に合わせ、まずは刀剣店などで情報収集してみることをお勧めします。初めてお求めになる方でも、単に安価であればいいというのではなく、美術品として長く持てるものや、財産価値のあるものを、予算に合わせてお探しになってはいかがでしょう。

 

Q 錆びた刀でも売却することはできますか?

A その刀に登録証が付いていることが前提ですが、もちろん美術品として売ることができます。しかし、錆の状態によって価格にかなりの開きがあると思われた方がいいでしょう。研いでも取り切れない錆であったり、研いでいるうちに傷や欠点が出たりする場合もあるからです。普段から手入れをしていると、刀の価値は変わらず後世に伝わりますが、持ち主の心がけ次第で、刀はたちまち駄目になってしまうのです。

 

Q 刀の研ぎは自分でできるものでしょうか?

A 素人の方が刀に砥石を当てるのは、絶対にしないでください。刀を研ぐのは専門の研師で、一人前になるには十年以上の修業が必要とされているくらいです。刀剣研磨の工程は下地研ぎ七工程、仕上げ研ぎ八工程に分かれ、名刀の研磨ともなれば、一振に半月を要することもまれではありません。わずかな錆びでも、素人が砥石を当ててしまったら、取り返しがつかなくなります。当組合の賛助会員には研師や白銀師、鞘師などの刀職も多数おり、全国で活躍しています。ご用命の節は組合加盟の刀剣商か組合までお問い合わせください。

 

Q 刀を修理・工作したいのですが、どこに依頼すればいいのでしょうか?

A 刀剣類の研磨や諸工作も、当組合加盟の刀剣商か組合に相談してくださることをお勧めします。実際に仕事を依頼するときに注意するのは、必ず預かり書をもらうことと、いくらぐらいで仕上がるか、前もって予算を出してもらうことです。信用のある刀剣商であれば、工作しようとする刀剣に応じて、それぞれの刀職を選んで予算を出してくれるでしょう。

 

Q 現代刀匠に刀を製作してもらうには、どうしたらいいですか?

A 現代刀匠は所定の修業を経た後、文化庁主催の作刀実地研修会を修了した者に与えられる国家資格です。刀匠の団体である全日本刀匠会には現在、約二百名が加盟し、研鑽を積んでいます。現代刀匠に製作を依頼すると、好みの作風が求められる、所持銘などを切ってもらえる、初めての所有者になれるなど、古作では味わえないメリットもあります。 現代刀匠にどんな作品を製作してもらうか検討する際、まずは公益財団法人日本美術刀剣保存協会と公益財団法人日本刀文化振興協会がそれぞれ主催するコンクールや、全日本刀匠会の「お守り刀展覧会」などで各刀匠の得意の作風を確認してみましょう。コンクールですから、評価の情報も収集が可能です。 当組合の賛助会員にも多くの刀匠が参加しています。郷土の刀匠を紹介してほしい向きは、お問い合わせください。

 

Q 刀剣の評価鑑定が知りたいのですが?

A 評価鑑定のご相談なら、当組合にお気軽に連絡してみてください。ただし、電話でのお答えは不可能です。「○○と銘のある刀ですが、いくらぐらいですか」と電話で問い合わせる方が非常に多いのですが、どこの刀剣商でも答えてはくれないでしょう。刀剣類の評価は、製作年代や製作者、その知名度、出来具合、保存状態、寸法、伝来などの要素が加味されて決まります。ですから、同じ作者でも一振一振評価は異なります。刀のほかに、付属する外装、鑑定書などをもって、当組合または組合加盟の刀剣商を訪ねてみてください。

 

Q 刀剣書によく刀の価格が表示されていますが、信頼していいでしょうか?

A 刀剣は一振ずつ中身が異なり、同一作者の刀でも出来の良しあしや保存の状態によって金額に大きな開きがあります。また、その時々の流通によっても価格に多少の変動はありますので、書籍の価格表示はあくまで評価の目安とお考えください。おそらく著者は、その作者の最も優秀な作品を例に取ったと思われますが、その価格以上のものもあり、以下のものもあるとお考えください。

 

Q 刀に鑑定書を付けてもらいたいのですが、どこに申請すればいいのでしょうか?

A 刀剣の審査機関はいくつかありますが、ほとんどが東京に所在しています。よく知られているのは公益財団法人日本美術刀剣保存協会です。審査は必ずしも毎月行われるわけではないので、お近くの組合加盟刀剣商に相談し、どの鑑定機関に申請するか決めたら、その刀剣商に手続きを委託するのもいいでしょう。鑑定機関によっては、審査を終えて刀が返却されるまでに数カ月かかります。鑑定料は機関によって異なりますが、一万円から数万円です。

 

 「やさしいかたな」 全国刀剣商協同組合:発行より