商品詳細

大刀剣市 カタログ掲載品

太刀 真守造(畠田) (古刀上々作)

館林藩秋元家伝来

荒木貞夫陸軍大将旧蔵

Tachi [Hatakeda Sanemori]
第65回重要刀剣
NBTHK Jyuyo Paper No.65
No. F00670
白鞘 金着太刀鎺
(附)荒木貞夫陸軍大将鞘書
上野国館林藩秋元家伝来・荒木貞夫陸軍大将旧蔵
秋元子爵家売立目録・藤代刀工辞典 所載
17,500,000

刃長 : 77.0cm(2尺5寸4分) 反り : 1.8cm(6分) 

元幅 : 3.0cm 先幅 : 1.75cm 元重 : 0.6cm 先重 : 0.3cm 

登録証:

東京都教育委員会
昭和26年4月30日
国: 備前国 (岡山県-南東部)
時代: 鎌倉時代後期 正応頃 1288-1292年頃

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
重要刀剣指定書
令和元年11月7日
銘: 真守造(畠田)
形状 : 鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常に、反りつき、中鋒となる。
鍛 : 板目つみ、処々柾がかり、肌立ちごころに、地沸つき、地景入る。
刃文 : 小のたれ調に互の目・小互の目交じり、足入り、匂深く、小沸よくつき、金筋入り、砂流しかかる。
帽子 : 直ぐに小丸に返り、先掃きかける。
彫物 : 表裏に棒樋を掻き流す。
茎 : 生ぶ、先栗尻、鑢目筋違、目釘孔一。

説明:

 畠田真守は、守家の子と伝え、建治・弘安・正応の年紀作があって、その活躍期は明白である。一般に、二字銘に切るものが多いが、中には本作のように三字銘のもの、あるいは「備前国長船住人左馬允真守造」と長銘に切った作例も現存する。作風は父:守家に倣い、蛙子を強調した丁子乱れを焼いて変化のあるものであるが、守家に比して、一般に乱れがやや小模様となる傾向がある。

 この太刀は地鉄は板目に杢・流れ肌が交じり、肌立ちごころとなり、地斑調の映りが立ち、刃文は小乱れ・小丁子・頭の丸い丁子・小互の目・尖りごころの刃などを交えて匂出来となるなどの作柄を見せている。刃中に小模様ながらも頭が丸く、元がくびれた感の蛙子丁子が顕示され、地鉄が肌立ち気味である処に畠田系らしさが窺われる。同工在銘の貴重な古雅を醸す一作である。

藩政時代は上野国館林藩秋元家に伝来したもので、昭和6年5月4日、東京美術倶楽部で開催された秋元子爵家御蔵品入札にて落札され同家を離れたようである。後に、荒木貞夫陸軍大将の有に帰して、自筆の鞘書が付帯する。往時の押形では目釘孔は2個で茎尻は刃上り栗尻であったようであるが、現状では目釘孔が4個うち2埋で茎尻は切となっており、区際も少し磨られた痕跡がみとめられる。刃長は、売立目録では2尺5寸5分(77.3cm)で、現状はわずかに1分(0.3cm)ほど短く2尺5寸4分(77.0cm)となっている。想像を豊かにすれば荒木大将が自らの差料とするために軍刀拵えを誂えて、太刀の茎にも手を加えた可能性も考えられが、拵えについては現状では付帯していない。

備考:

古刀 上々作

 

上研磨済 新規白鞘製作

 

秋元子爵家御蔵品入札(昭和6年5月4日)

藤代刀工辞典 古刀編で伯耆となっておりますが、正しくは備前となります。

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