商品詳細

刀 (無銘) 三池

(附)延宝四年本阿弥光常折紙

(毛利家伝来)

Katana [Miike]
第27回特別重要刀剣
NBTHK Tokubetsu Jyuyo No.27
No. F00305
(附)延宝四年本阿弥光常折紙
白鞘 金着二重時代鎺
田野辺探山先生鞘書
17,500,000

刃長 : 74.65cm(2尺4寸6分強) 反り : 1.7cm(6分弱) 

元幅 : 3.2cm 先幅 : 2.15cm 元重 : 0.5cm 先重 : 0.4cm 

登録証:

東京都教育委員会
昭和26年3月31日
国: 筑後国 (福岡県-南部)
時代: 鎌倉時代末期 建武頃 1334-1337年頃

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
特別重要刀剣指定書
令和4年4月
銘: (無銘)三池
形状 : 鎬造、丸棟、身幅やや広く、元先の幅差幾分つき、鎬幅広く、鎬筋高め、重ね尋常、反り浅めにつき、中鋒詰まりごころ。
鍛 : 小板目肌総じてよくつみ、地沸つく。
刃文 : 中直刃調に小のたれ・小互の目ごころの刃交じり、匂深く、小沸つき、腰元刃縁小さくほつれ、総じて匂口明るく冴える。
帽子 : 直ぐに、先殆ど焼詰める。
彫物 : 表裏に浚いが浅く幅広の棒樋を掻き流す。
茎 : 大磨上、先栗尻、鑢目殆ど切り、目釘孔四、無銘。

説明:

三池とは筑後国三池の地に在住した刀工達の流派名で、その祖は平安時代末期の名工として名高い典太光世であり、加賀前田家伝来の名物「大典太」(国宝)が代表作として知られている。光世は一人ではなく、その後も同名が鎌倉時代から室町時代へと継承されている。三池の作風は大典太以来、九州古作に共通するもので、鍛えは板目がさかんに流れて地沸がつき、ネットリとして如何にも軟らかそうに見える肌合いを呈し、刃文は小沸出来の直刃仕立てにほつれがかかり、匂口が沈みごころとなるなどの出来口を見せているが、幅広で比較的浅い棒樋を好んで掻くところに一派の個性が窺われる。

この刀は、身幅広めで平肉もつき手持ちが比較的重く、保存状態が良好に保たれたもので、地鉄は小板目がよくつんで精良なる肌合いを呈しながらもややねっとりしたかな味を示している点が九州物の特徴を示している。また刃文は通常経眼する九州物並びに三池極めの作に比して匂口が深く総じて明るく地刃共に冴え、九州古典派とはやや趣が異なる作柄を示している点が特筆される。とはいえ、浚いの浅い幅広の棒樋は堂派の特徴を示しており、地鉄の様相並びに丸棟に造込まれている点と併せて極めは首肯され、以上の諸点よりして鎌倉時代末期、建武頃の作と推し量れるものである。

なお本作には本阿弥光常代金子拾枚の折紙が附帯し、その折紙の包紙になる貼付より毛利家伝来品と判明する一口である。

備考:

田野辺探山先生鞘書

「筑後国三池 大磨上無銘也 延宝四年本阿弥光常代金子拾枚折紙附帯シ毛利家集蔵品也 光世ハ名物大典太デ知ラレル平安末期ノ工ガ著名ナレド時代ガ降ツテモ同国ニハ其ノ偉大ナル先達ヲ敬慕シ同名ヲ復活サセタル工ガ存在セリ本刀ハ建武頃ノ年代ト推察サレ最大ノ特徴ナル幅広ク浅キ状ノ棒樋ヲ掻キタレドモ良ク錬レタ小板目鍛ヘニ匂口明ルキ直刃ヲ焼キ常ノ九州古典派トハ稍異ナル垢抜ケシタル感有之

刃長二尺四寸六分余有之 時在庚子皐月 探山識(花押)」

 

第27回特別重要刀剣指定品(第回重要刀剣指定品)

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