商品詳細

大刀剣市 カタログ掲載品

刀 山浦真雄 安政三年八月日(新々刀上々作)

Katana [Yamaura Saneo]
第58回重要刀剣
NBTHK Jyuyo Paper No.58
No. F00213
白鞘 銀無垢二重ハバキ

刃長 : 75.6cm (2尺4寸9分半) 反り : 1.6cm (5分)

元幅 : 3.3cm 先幅 : 2.6cm 元重 : 0.65cm 先重 : 0.5cm

登録証:

東京都教育委員会
昭和26年03月30日
国: 信濃国 (長野県)
時代: 江戸時代後期 安政3年 1856年

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
重要刀剣指定書
平成24年10月10日
銘: 山浦真雄
安政三年八月日
形状 : 鎬造、庵棟、身幅広く、元先に幅差少しくつき、反りややつき、大鋒となる。
鍛 : 板目つみごころに杢・大板目交じり、地沸厚くつき、地景頻りに入る。
刃文 : 互の目に小のたれ・交じり、足長くよく入り、匂口深く沸厚くつき、金筋・砂流しさかんにかかり、匂口明るく冴える。
帽子 : 乱れ込み小丸ごころに返り、先さかんに掃きかける。
茎 : 生ぶ、先極く浅い刃上がり栗尻、鑢目筋違、目釘孔一、佩表目釘孔下棟寄りに大振りの四時銘があり、裏に同じく年紀がある。

説明:

 山浦真雄は、本名を山浦昇といい、文化元年、信州赤岩村(現:長野県小県郡滋野村)に生まれた。文政12年に弟、清麿と共に上田藩工:河村寿隆に学び、完利、寿昌などと銘し、のち正雄、真雄となり、さらに晩年には寿長と改銘して明治7年、71歳で没している。彼は、寿昌時代には「天然子」の号を、一番長い真雄時代には「遊射軒」・「遊雲斎」などの号を用いている。作風は清麿と同じく、寿隆風の丁子に始まって相州伝に転じている。

 この刀は、鍛えは板目がつみごころとなり、杢・大板目交じり、地沸が厚くつき、地景が頻りに入り、刃文は互の目に小のたれ交じり、足が長くよく入り、沸厚く、処々荒めにつき、金筋・砂流しさかんにかかり、帽子は乱れ込み、小丸ごころに返り、先さかんに掃きかけるなどの作域を示している。地景を頻りに交えて地沸の厚くついた強い鍛えがよく、刃中よく沸づいて、金筋・砂流しの働きも同工の作としては常以上に豊富であり、身幅広く大鋒の豪壮な造り込みを呈していて、地刃の出来口とあわせて極めて覇気にみちた作である。

備考:

新々刀 上々作。

 

最上研磨済み 新規白鞘

平成24年(2012) 第65回刀剣研磨・外装技術発表会(研磨部門) 特賞2席:竹屋賞受賞

研師:井上聡氏

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