商品詳細

大刀剣市 カタログ掲載品

拵 黒漆石地塗鞘銀金具大小拵(三井家伝来)
鐔 東吟亭佐藤義照
(附)大小 備前近江大掾忠広(二代)

Koshirae [Dai Shou set]
第47回重要刀装
特別保存刀剣
NBTHK Jyuyo Paper No.47
NBTHK Tokubetsu Hozon Paper
No. F00002
人間国宝:本阿弥日洲先生 箱書・鞘書
財閥:三井家伝来

外装

 大 : 総長 : 101.76cm 総反り : 4.1cm 柄長さ : 25.3cm

柄反り : 0.5cm 鞘長さ : 76.4cm 鞘反り : 2.3cm

 小 : 総長 : 70.4cm 総反り : 3.2cm 柄長さ : 17.5cm

柄反り : 0.4cm 鞘長さ : 52.8cm 鞘反り : 1.8cm

刀剣 

 刀 : 刃長 : 69.6cm (2尺3寸弱) 反り : 1.4cm (5分)

 脇指 : 刃長 : 50.0cm  (1尺6寸5分) 反り : 1.4cm  (5分)

登録証:

滋賀県教育委員会
昭和26年03月31日
国: (刀装)山城国 (京都府-南部)
(刀剣)肥前国 (佐賀県・長崎県)
時代: (刀装)明治時代初期 明治3年 1872年頃
(刀剣)江戸時代中期 寛文頃 1661-1672年頃

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
重要刀装指定書
平成13年10月11日
特別保存刀剣鑑定書
平成13年02月07日
銘: 鐔:(大)洛鴨水東岸居東吟亭義照(花押) 明治三歳庚午
  (小)大呂朔旦製造之 平安東吟亭義照(花押)
刀:肥前国住近江大掾藤原忠広
脇指 : 近江大掾忠広
刀 : 身幅・重ね共に頃合にて、中鋒の寛文新刀姿。地鉄は小板目肌よくつみ、地沸細かについた、いわゆる肥前の米糠肌となり美しく、刃文は小沸出来の中直刃にて、帽子品よく小丸に返る。
脇指 : 身幅やや広くガッシリとした姿に、地鉄は小板目よくつみ、地沸細かにつき、加えて地景入り、冴えた肌合いである。刃文、小沸出来の中直刃にて、匂口明るく冴え、刃中に金筋交じる。帽子小丸、やや深く返る。茎鑢が右勝手上がりとなる点、地刃が冴えている点、帽子の返りがやや深い点などより、三代:陸奥守忠吉の作と思量される。
拵 : 黒漆石地塗鞘銀金具大小拵
鐔 : 大は富士超龍図・小は三保松原に羽衣松図、木瓜形、銀魚子地、鋤出高彫、金色絵、角耳小肉、両櫃孔
柄前 : 白鮫着、黒糸撮菱巻
目貫 : 這龍図、金地、容彫
小柄 : 銀魚子地、丸に九枚笹文三双、銀高彫据文、無銘
金具 : 銀魚子地、素文、両小縁とる、無銘
鞘 : 黒漆石地塗
下緒 : 藍鉄色角打

説明:

本作は幕末の京都金工の上手である東吟亭佐藤義照の銀大小鐔を用いて格調高く製作された黒漆石地鞘銀金具大小拵である。

総金具は太刀様式の形で造られ、銀魚子地、素文で両小縁をとっている。柄は上等の白鮫着、黒糸双撮巻で、目貫は大小とも金這龍で、江戸時代前期の後藤家の作と鑑せられる。

鐔の大は富士超の龍図、小は三保松原羽衣図である。大小とも木瓜形、銀魚子地に鋤出高彫、金色絵で清雅に表現している。作者の義照は旧姓は能勢氏で、文化11年に京都で生まれ、荒木東明に学び、のち後藤光文に入門した。その後、佐藤東峰の女婿となり、岳父同様に伏見宮家より出入り・帯刀を許された。この大小鐔は同作中屈指の出来映えであり、構図、彫技ともにいかにも京風で洗練味が高い。

総体に清雅な趣に包まれた上品な大小拵えであり、保存状態も頗る健全である。財閥:三井家に伝来したものである。

 


 

<三井家について>

 

三井家は、三井財閥の財閥家族。宇多源氏(近江源氏)佐々木氏出身である三井高久の流れを汲むとされる。 三井高利が伊勢国・松阪から江戸へ出て呉服屋を出店したことから三井家の事業は始まる。その後、京で両替商も兼業し、江戸時代を通じて三井家の事業の柱となる。 三井家発祥の地である伊勢松坂は御三家紀州藩の領地であった為、江戸時代を通じて紀州徳川家とは強いつながりがあった。北家6代高祐は徳川治寶の招きで紀州和歌山(和歌山城下の西浜御殿)を訪れている。表千家ともつながりがあった。

高利の死後、その遺産は嫡男高平以下子供たちの共有とされ、各家は元禄7年に、家事と家業の統括機関である「三井大元方」を設立すると共に、『宗竺遺書』(江戸時代。宗竺は高平の隠居名)、『三井家憲』(明治以降)の下に、一体となって三井家を盛りたてた。これがいわゆる「三井十一家」である。代替わりするごとに十一の家同士の血縁が薄くなるのを防ぎ、家間の血縁関係を強固にするため、三井一族同士で結婚するケースも多かった。これは江戸時代からあったが明治以降も三井一族同士による結婚は多い。 なお、北家当主は3代高房以降、代々三井八郎右衛門を名乗った。高房は豪商達の興隆・衰亡を記した『町人考見録』を著して地道な商売の必要性を唱えて大名貸などの派手な取引を禁じている事で有名である。財閥解体時の北家当主高公は11代目八郎右衛門であった。 北家・室町家・南家は明治時代に男爵に列せられた。

(参考 : Wikipedia)

備考:

新刀 上々作。

大業物。

人間国宝(重要無形文化財保持者):本阿弥日洲先生 最上研磨品。

人間国宝(重要無形文化財保持者):本阿弥日洲先生 箱書・鞘書

 

箱書:

「大小鐔 東吟亭義照」

「御伝来三井家

大 銘文 洛鴨水東岸居東吟亭義照花押 銀地 木瓜形 高彫色絵 富士越龍之図

小 銘文 明治三歳次庚午大呂朔旦製造之 平安東吟亭義照花押 銀地 木瓜形 高彫色絵 三条松原之図

平成五歳陽春記之 重要無形文化財 本阿弥日洲(花押)」

 

鞘書:大

「肥前国近江大掾藤原忠広 御伝来三井家 生中心在銘 時代寛文之頃 美事也 大小拵添

長サ二尺三寸有之 平成五歳陽春記之 重要無形文化財 本阿弥日洲(花押)」

 

鞘書:小

「近江大掾藤原忠広 御伝来三井家 生中心在銘 時代寛文之頃 美事也 大小拵添

長サ一尺六寸五分余有之 平成五歳陽春記之 重要無形文化財 本阿弥日洲(花押)」

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