商品詳細

大刀剣市 カタログ掲載品

太刀 相州住広正 宝徳二年八月日(出羽庄内酒井家伝来)

Tachi [Sosu Hiromasa]
第18回重要刀剣
NBTHK Jyuyo Paper No.18
No. F00170
出羽庄内酒井家伝来
(附) 黒呂色塗鞘天正拵
白鞘 佐藤寒山先生鞘書 金着一重ハバキ
寒山押形・鑑刀日々抄所載

刃長 : 61.8cm (2尺0寸3分強) 反り : 1.8cm (4分半)

元幅 : 2.85cm 先幅 : 1.9cm 元重 : 0.55cm 先重 : 0.4cm

登録証:

東京都教育委員会
昭和43年06月20日
国: 相模国 (神奈川県-中部・西部)
時代: 室町時代中期 宝徳二年 1450年

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
重要刀剣指定書
昭和44年04月24日
銘: 相州住広正
宝徳二年八月日
形状 : 鎬造、三ッ棟、身幅尋常に、先反りつき、中鋒となる。
鍛 : 板目つみ、杢交じり、地沸厚くつき、地景太く入る。
刃文 : 互の目乱れ、小互の目・小丁子風の刃など交じり、足よく入り、棟焼・飛焼を盛んに交え、華やかな皆焼刃を形成し、小沸よく、金筋入り、砂流しかかる。
帽子 : 表一枚風に長く返り、裏乱れ込み長く返り、さかんに掃きかける。
彫物 : 表は、梵字に腰樋中に三鈷付剣を浮彫、裏は、梵字を二つ重ね、腰樋中に独鈷を同じく浮彫する。
茎 : 生ぶ、先栗尻、鑢目切、目釘孔二。
拵 : 黒呂色塗鞘天正拵 総長 : 94.5cm
鐔 : 沢瀉に桐・雁図、竪丸形、鉄地、地透、毛彫、金象嵌、耳小肉、両櫃孔仕立、無銘(京正阿弥) 高さ:8.1cm 幅:7.8cm 厚さ:0.5cm
柄 : 黒鮫着、御納戸色皮巻。長さ:21.6cm
縁 : 赤銅魚子地、無銘 高さ:4.4cm 幅:2.2cm
頭 :
笄 : 瓢箪に梅図、赤銅魚子地、高彫、金ウットリ色絵、無銘(後藤)
長さ:23.2cm 幅:1.4cm
目貫 : 鯰図、赤銅容彫、金色絵

説明:

 相州広正は、広光の一族といわれ、南北朝時代より室町時代中期にかけて同名が数代いると考えられ、文安・宝徳・長禄・文明頃の刀工が主に活躍した広正である。

 本作は、地刃に時代の様相と相州物の伝統的な作風を見せ、彫物もまた特色あるもので見事である。蓋し同作のみならず、この時代の相州物の典型作であり、代表作の一口で宝徳二年の年紀も資料的に貴重といえる。藩政時代は、出羽国庄内藩酒井家に伝来した一振で、いかにも大名道具らしい風格を兼ね備えている。附帯する黒呂色塗鞘天正拵は高山一之氏の手によるもので、雅味のある格調高い一品となっている。

備考:

末古刀 上々作。

 

佐藤寒山先生鞘書

「相州住広正 宝徳二年八月日 刃長二尺三分有之 昭和戊申年 冬師走 寒山誌(花押)」

 

鑑刀日々抄所載

「太刀 銘 相州住広正 宝徳二年八月日 宝徳広正 一口

刃長二尺三寸0五厘、反り五分、元幅九分六厘、先幅六分六厘、鋒長九分八厘、元重ね一分八厘、先重一分四厘、茎長五寸一分半、茎反り僅か

鎬造、三ツ棟、鎬高く棟を卸し、中鋒、先反りとなる。鍛えは小板目肌よくつみ、地沸つく。刃文は小乱・互の目交じり、匂口締まりごころに小沸つき、金筋処々にかかり、上半皆焼となり、帽子は表乱れ込み、裏小丸、僅かに掻くかけて乱れて長く焼下げ、棟焼かかる。表に梵字下に櫃の中に三鈷附剣の浮彫、裏に梵字二つ、下に櫃の中に独鈷の浮彫があり、茎は生ぶ、僅かに反りついて先栗尻、鑢目切、目釘孔二、目釘孔の下、棟寄りに長銘、裏に同じく年紀がある。

広正で年紀があって長いものは極めて稀である。しかもこの時代の相州物の典型とも云うべき作風を見せ、加えるに彫物の見事であるばかりでなく、頗る健全であることも好ましい。」

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