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第35回重要刀剣 NBTHK Jyuyo Paper No.35 |
No.F00182 |
白鞘 金着二重ハバキ |
参 考 品 |
刃長 : 73.5cm (2尺4寸2分強) 反り : 1.7cm (5分半) 元幅 : 2.9cm 先幅 : 1.9cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.4cm |
登録証 : 東京都教育委員会 昭和□年□月□日 |
国 : 美濃国 (岐阜県-南部) 時代 : 室町時代後期 永正12年 1515年 |
鑑定書 : (公)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣指定書 平成01年04月14日 |
銘 : 和泉守藤原兼定作 永正十二年二月日 |
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形状 : 鍛 :
刃文 :
帽子 : 茎 : 鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常に、浅く先反りつき、中鋒となる。 板目よく錬れてつみ、わずかに小杢を交え、処々柾がかり、地沸つき、地景入り、淡く白け映りたつ。。 互の目・互の目丁子・尖り刃など目交じり、足入り、匂勝ちに小沸つき、金筋入り、砂流しかかり、匂口明るく冴える。 のたれ込み小丸たおれて地蔵風に返り、先掃きかける。 殆ど生ぶ(僅かに区送る)、先栗尻、鑢目鷹の羽、目釘孔二。 |
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説明 : 和泉守兼定(之定)は孫六兼元と並んで室町時代後期の美濃鍛冶を代表する刀工で、「定」の字のウ冠の中を「之」と切ることから「ノサダ」と称され、一般に三代といわれる「疋定(ヒキサダ)」と区別されている。しかし、「古刀銘集録」に「同二代目和泉守藤原ト打 明応年号切 定ノ字体真ニシテ多関住作打 永正ノ初ヨリ如此之ノ字切 故ニ之定ト唱」とあり、初めは定の字を楷書で切った事がわかる。そして、「ノサダ」銘に転化したのは永正の初めというが、現存する作刀からすれば、明応8年11月以降で同9年8月以前とするのが正しい。兼定(之定)は古刀期にあって珍しく受領「和泉守」を許された刀工で、多くの刀剣書は「すぐれたる上手」と述べている。兼元の「三本杉」と称せられる尖り刃主調の乱れ刃に対して、兼定(のさだ)は丸い互の目・のたれ・互の目丁子などを交えた刃文を焼いて変化があり、鍛えがよく錬れて優れるのも特色である。 本作は、所謂「和泉守」受領後の「之定」銘であり、永正12年の製作年紀が記されれている。地鉄がよく錬れて、少しく小杢を交え、柾がかり、淡く映りがたち、よく冴えて潤いが感ぜられる。刃文は、互の目に、兼定(のさだ)特有の三つほど連なる互の目丁子を交え、匂勝ちの小沸がつき、金筋・砂流しかかり、匂口が明るく冴えている。帽子はのたれ込み小丸がややたおれて地蔵風となる。兼定の作風を顕著にあらわした優品で、地刃ともによく冴えわたっている。 |
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備考 : 末古刀 最上作。 大業物。 |