商品詳細

刀　（無銘）一文字　（古刀上々作）

Katana [Fukuoka Ichimonji]

第67回重要刀剣

NBTHK Jyuyo Paper No.67

No. F00311

（附）　黒呂色塗鞘薩摩拵
白鞘白鞘田野辺探山先生鞘書金着一重鎺

10,000,000

刃長： 70.0cm（尺寸分）　反り： 1.8cm（分）　

元幅： 2.7cm　先幅： 1.9cm　元重： 0.6cm　先重： 0.5cm

登録証：

東京都教育委員会
昭和27年10月8日

国：	備前国　（岡山県-南東部）
時代：	鎌倉時代中期　弘安頃　1278-1287年頃

鑑定書：

(公)日本美術刀剣保存協会
重要刀剣指定書
令和3年10月29日

銘：

（無銘）　一文字

形状：	鎬造、庵棟、身幅尋常、元先の幅差さまで目立たず、重ね厚く、大磨上ながらも反り深く、腰反りつき、中鋒。
鍛：	小板目肌よくつみ、地沸微塵に厚くつき、地景細かに入り、乱れ映り立つ。
刃文：	焼高く、丁子に重花丁子・互の目・尖り刃など交じり、足・葉入り、匂口深く、小沸つき、金筋入り、物打ち辺に長く砂流しかかり、匂口明るい。
帽子：	浅くのたれ込み、小丸、短く返る。
彫物：	（なし）
茎：	大磨上、先切り、鑢目浅い勝手下がり、目釘孔二、無銘

拵：	黒呂色塗鞘薩摩拵　総長： 96.4cm
鐔：	鉈豆図、変り形、赤銅地、高彫、毛彫、無銘（薩摩）高さ：7.2cm 幅：6.8cm 厚さ：0.45cm
柄：	白鮫着、黒糸柄巻。長さ：23.0cm
縁頭：	鉈豆図、赤銅石目地、金色絵、桑畑匡史彫高さ：3.8cm 幅：2.3cm
目貫：	牡丹図、赤銅容彫、金色絵

説明：

鎌倉時代の備前物の最も大きな流れは一文字と長船の両派であり、一文字派は以後南北朝期にかけて福岡・吉岡・岩戸などの地に繁栄し、多くの良工が輩出した。この派が一文字と呼ばれる所以は、茎に｢一｣の字を切ることに因るが、銘は｢一｣の字のみのものと、他に｢一｣の字の下にさらに個銘を加えるもの、また個銘だけのものもある。作風は丁子乱れに特色を見せ、特に鎌倉時代中期の福岡一文字派は、大丁子・重花丁子を焼いて華やかな作品を遺している。

　本作は大磨上ながらも腰反りの深い勇健な姿を温存し、肉置きがよく、鍛えは小板目肌がよくつんで地沸が麗しく、乱れ映りが立って実に精美であり、刃文は焼高い丁子主張の刃を闊達に焼いており、姿態と併わせて鎌倉時代中期の福岡一文字派の作品と位置づけられる。匂口が柔らかく且つ明るく、同派極めの絢爛たる傑作である。

　上手の赤銅地の金具を用いた黒呂色塗鞘薩摩拵が付帯することも好ましい。

備考：

古刀　上々作

田野辺探山先生鞘書

｢備前国福岡一文字大磨上無銘ト雖モ尚腰反高ク肉置豊カデ凛然タル姿態ナリテ細微ナル肌合ニ変化ニ富ム華ヤカナ丁子乱ヲ焼キ匂口柔味アリテ小沸付キ絢爛豪華ノ趣キ呈シ鎌倉中期一類ノ特色ヲ示ス優品也刃長二尺三寸一分時在令和辛丑暦薫風下院探山識焉(花押)｣