商品詳細

脇指 醇志奉李門公命加藤綱俊是俊造之
安政二二年八月日
乳割土壇山田源蔵

Katana [Chounsai Tsunatoshi and Koretoshi]
特別保存刀剣
NBTHK Tokubetsu Hozon Paper
No. A00675
白鞘 銀無垢一重鎺
本阿弥光遜先生鞘書
850,000

刃長 : 46.6cm(1尺5寸4分弱) 反り : 1.2cm(4分) 

元幅 : 2.8cm 先幅 : 2.0cm 元重 : 0.65cm 先重 : 0.4cm 

登録証:

福岡県教育委員会
令和5年1月12日
国: 武蔵国 (東京都・埼玉県・神奈川-東部)
時代: 江戸時代後期 安政4年 1857年

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
特別保存刀剣鑑定書
令和5年5月31日
銘: 醇志奉李門公命加藤綱俊是俊造之
安政二二年八月日
乳割土壇山田源蔵
形状 : 鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常に、先反りつき、中鋒延びごころとなる。
鍛 : 小板目肌よくつみ、地沸つき、地景入り、無地風の肌合いを呈する。
刃文 : 元を直ぐに焼出し、互の目に小互の目・丁子風の刃なd交じり、足入り、匂本位にわずかに小沸よく。
帽子 : のたれ込み直ぐに小丸に返る。
彫物 : (なし)
茎 : 生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢目大筋違に化粧つく、目釘孔一。

説明:

 初代:長運斎綱俊は寛政9年に出羽国米沢の生まれで、本名を加藤八郎といい、父に加藤国秀、兄に加藤綱英がおり、長運斎、のち長寿斎と号した。米沢藩上杉家のお抱え鍛冶として、江戸に出て麻布に住し、文久2年12月5日、66歳で没した。作風は、丁子に互の目を交えた備前伝を最も得意とし、他に、濤欄刃や直刃がある。

二代:綱俊は綱俊の次男で、安政2年頃に長運斎の号を父から譲られ初代は長寿斎と号し、また文久3年の父歿後には二代目綱俊を襲名した。初代・二代の父子合作も比較的に多くみられ、初代の晩年にはその代作も為すという。是俊は初代:綱俊の高弟であった青龍軒盛俊の門で修行し、周防国岩国から江戸に戻った。

銘文にある「醇志(じゅんし)」とは、純粋で高潔な志、または、誠実な意思や心情を意味する。李門公とは、日向国(宮崎県)飫肥藩の13代藩主の伊東祐相公の号である。

「奉李門公命加藤綱俊是俊造之」とあるので、伊東祐相(李門)公より命じられて、長運斎綱俊・是俊親子が本作を入念に製作されたもので、製作と同時期に山田浅右衛門8代吉豊(源蔵)による試斬も行われた念の入れようである。安政4年は綱俊が61歳、是俊が20歳にあたる。

 


<伊東祐相 李門>

第11代藩主・伊東祐民の長男として江戸に生まれる。父・祐民は文化9年6月29日、祐相の誕生に先立って死去しており、祐民の弟で祐相の叔父・祐丕が家督を継いでいた。文化11年(1814年)、祐丕が嗣子無くして死去したため、3歳で家督を継いだ。
藩政においては殖産興業政策、軍制改革、海防のための砲台建設、養蚕業の奨励や運輸業の改革、飫肥藩教学の確立などに努め、多くの成功を収めた。後にこの教学により郷校・明教堂が建設され、阿万豊蔵、落合双石など多くの人材を輩出している。明治期に入ると薩摩藩に従って新政府側に与し、戊辰戦争では二条城と甲府城の守備を務めた。
明治2年(1869年)の版籍奉還により藩知事となったが、同年7月23日に長男・祐帰に家督を譲って隠居した。明治7年(1874年)10月21日、63歳で死去した。号は李門。墓所は谷中霊園甲8-21と日南市旧報恩寺。

(Wikipediaより)

 


<山田浅右衛門 八代吉豊>

明治になって浅雄とも名乗った。俳号は亀宝館柊哉。七代目と六代目の養女幸の間の子。明治三年(1870)四月十五日の「弁官達」で刑死者の試し斬り及び人胆等の採取が禁じられ(「従前刑余ノ骸ヲ以テ刀剣ノ利鈍ヲ試来候。右ハ残酷ノ事ニ候間厳禁取締可致。其他人胆或ハ霊天蓋陰茎等密売致ス哉ニ候(中略)是又厳禁取締可致候事」)、ために山田家は試し斬りと製薬業のいずれもが行えなくなった。八代目は「東京府囚獄掛斬役」すなわち首斬り役として出仕。明治五年のいわゆる壬申戸籍には「平民」と明記されている。

明治七年二月十二日に斬役の職務を解かれ、明治十二年十月十六日に隠居。明治十五年八月十三日に父(七代目)に先立って死亡。享年四十四歳。性善院秀様吉豊居士。

備考:

長運斎綱俊は新々刀最上作

長運斎是俊(ニ代綱俊)は新々刀中上作

 

本阿弥光遜先生鞘書

「江戸長運斎綱俊是俊 長壱尺五寸四分半弱之

昭和壬辰(27)極月 本阿弥光遜(花押)」

 

古研ぎのために、全体に長い縦ヒケや下半に細かい横ヒケがみられ、部分的に小錆があります。

指裏の中程からその下に錆の痕跡があります。

 

詳細写真1
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