商品詳細

刀 □□□兼定

(金粉銘)和泉守兼定 粉補光遜(花押)

(古刀最上作)(最上大業物)

Katana [Izuminokami Kanesada]
保存刀剣
NBTHK Hozon Paper
No. A00642
白鞘 本阿弥光遜先生鞘書 金着二重鎺

刃長 : 70.3cm(2尺3寸2分) 反り : 1.6cm(6分) 

元幅 : 3.0cm 先幅 : 2.0cm 元重 : 0.5cm 先重 : 0.35cm 

登録証:

東京都教育委員会
令和4年8月25日
国: 美濃国 (岐阜県-南部)
時代: 室町時代後期 永正頃 1504-1520年

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
保存刀剣鑑定書
令和4年12月14日
銘: □□□兼定(と銘がある)
(金粉銘)和泉守兼定 粉補光遜(花押)
形状 : 鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常に、鎬筋が高く、浅く先反りつき、中鋒延びごころとなる。
鍛 : 板目、杢を交じり、処々柾がかり、地沸厚くつき、地景入り、淡く白け映りたつ。
刃文 : 互の目・互の目丁子・尖り刃・小のたれなど目交じり、足入り、匂勝ちに小沸つき、砂流しかかり、飛焼を交え、匂口明るく冴える。
帽子 : 乱れ込み小丸に返り、先掃きかける。
彫物 : (なし)
茎 : わずか(約1.5cm)に区送り、先栗尻、鑢目(旧)鷹の羽・(新)勝手下がり、目釘孔三。

説明:

和泉守兼定(之定)は孫六兼元と並んで室町時代後期の美濃鍛冶を代表する刀工で、「定」の字のウ冠の中を「之」と切ることから「ノサダ」と称され、一般に三代といわれる「疋定(ヒキサダ)」と区別されている。しかし、「古刀銘集録」に「同二代目和泉守藤原ト打 明応年号切 定ノ字体真ニシテ多関住作打 永正ノ初ヨリ如此之ノ字切 故ニ之定ト唱」とあり、初めは定の字を楷書で切った事がわかる。そして、「ノサダ」銘に転化したのは永正の初めというが、現存する作刀からすれば、明応8年11月以降で同9年8月以前とするのが正しい。兼定(之定)は古刀期にあって珍しく受領「和泉守」を許された刀工で、多くの刀剣書は「すぐれたる上手」と述べている。兼元の「三本杉」と称せられる尖り刃主調の乱れ刃に対して、兼定(のさだ)は丸い互の目・のたれ・互の目丁子などを交えた刃文を焼いて変化があり、鍛えがよく錬れて優れるのも特色である。

 本作は、所謂「和泉守」受領後の「之定」銘であるが、何らかの原因により銘字が薄れて判読しづらくなってしまったのであろうか本阿弥光遜先生によって金粉をもって銘字部分に善意の補修が施されている。表の「和泉守兼定」の銘字の凹みに沿って金粉を嵌めており、裏には平地に「粉補光遜(花押)」と同じく金粉を施している。

銘字に対する目釘孔の位置や鑢目から第二目釘孔で生ぶ孔であると推察され、わずかに1.5cmほどの区送りがされているが、元来は現状の2尺3寸2分(70.3cm)よりやや長い2尺3寸8分(72.0cm)ほどで、茎尻は生ぶであろう。地鉄は板目に、交え、総じて柾がかり処々ながれごころに、淡く映りがたち、よく冴えて潤いが感ぜられる。刃文は、互の目に、兼定(のさだ)特有の三つあるいは四つほど連なる互の目丁子を交え、匂勝ちの小沸がつき、砂流しかかり、匂口が明るく冴えている。帽子はのたれ込み小丸がややたおれて地蔵風となる。鑢目も鷹の羽となるなど兼定の作風や特徴を顕著にあらわした優品で、地刃ともによく冴えわたっている。

備考:

古刀 最上作

最上大業物

 

本阿弥光遜先生鞘書

「濃州和泉守兼定 長弐尺弐寸弐分余銘之 昭和癸巳正月 本阿弥光遜(花押)」

 

古研ぎのため、全体に刃先に小さな薄錆びがあり、なかほどの刃先にわずかに刃こぼれがあります。

処々に鞘当たりがみあれ、全体にヒケや擦れがあります。

 

 

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