商品詳細

太刀 藤嶋友重 (古刀中上作)

Tachi [Fujishima Tomoshige]
第23回重要刀剣
NBTHK Jyuyo Paper No.23
No. A00633
(附) 黒塗鞘太刀拵
白鞘 佐藤寒山先生鞘書 金着一重太刀鎺
日本刀大鑑 古刀編三 所載

刃長 : 67.5cm(2尺2寸2分4厘) 反り : 2.6cm(8分5厘) 

元幅 : 2.8cm 先幅 : 1.7cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.4cm 

登録証:

東京都教育委員会
昭和27年8月12日
国: 加賀国 (石川県-南部)
時代: 南北朝時代後期 永徳頃 1381-1383年

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
重要刀剣指定書
昭和50年7月1日
銘: 藤嶋友重
形状 : 鎬造、庵棟、磨上ながらも反り高く、中鋒。
鍛 : 板目総体に流れて柾がかり、地沸つき、淡く映り立つ。
刃文 : 互の目乱れに小のたれ、尖り刃交じり、総体に小ずみ小沸つき、砂流しかかる。
帽子 : 表は乱れ込んで先尖り、裏は掃きかけて焼詰める。
彫物 : (なし)
茎 : 磨上、先切り、鑢目勝手下り、目釘孔三、佩表、目釘孔の下棟寄り茎尻にかけて四字銘がある。
拵 : 黒塗鞘太刀拵 総長 : 95.5cm
鐔 :

高さ:8.1cm 幅:7.1cm 厚さ:1.1cm

柄 : 長さ:24.0cm

説明:

磨上げて茎尻近くに四字銘がある藤嶋友重の太刀である。友重は加州藤嶋に住した刀工で、その初代は来国俊の門人と伝えているが、現存するもので最も古い年紀のものが応永であり、それ等に比しては時代が遡るであろうと鑑せられるものはあっても、南北朝期を遡るものはみない。その作風は大和尻懸派などに似たもの、備前風のものなどがある。この太刀は南北朝期の作とみられ、柾の目立つ鍛に、小ずんだ小沸出来の互の目乱れの刃を焼き、出来がよい。なお、この太刀には黒漆太刀拵が附属している。総金具を素銅地に上等の黒漆をほどこし、櫓金のみ銀金具で丁寧に仕上げている。三枚合わせ鐔にも銀覆輪がかかっている。

 


<日本刀大鑑の解説より>

熱田神宮の友重より時代は降るが南北朝時代の作と鑑せられるもので、刃文は一脈京信国に似ているが、地肌に柾が目立って大和風をおびていることは相通じており、注目すべきことであろう。この時代の作は稀有であり、中々の出来である。

 


<石黒忠篤(いしぐろただあつ)>
生没年:明治17年(1884)1月9日 〜 昭和35年(1960)3月10日
出身地:東京都
職業・身分:政治家・官僚
解説:石黒忠悳の長男。明治41(1908)年東京帝大法科大学卒業、農商務省に入る。農林省農務局長、蚕糸局長等を歴任後、昭和6(1931)農林次官。9年退任後、農村更生協会会長、産業組合中央金庫理事長など、農業団体の要職を歴任。15年第2次近衛内閣農林相に就任。18年貴族院議員。20年鈴木貫太郎内閣農商相。21年公職追放。27年追放解除後、参議院議員に当選し緑風会に所属。「農政の神様」ともいわれた。
<近代 日本人の肖像より>

備考:

古刀中上作

 

佐藤寒山先生鞘書

「加州住藤島友重 四字銘有之南北朝時代之作而同作中之優品也

刃長弐尺弐寸弐分有之 昭和辛亥(46)年師走 寒山識(花押)

石黒忠篤氏遺愛之一也 寒山識」

 

「藤嶋友重 此作本国越前加州ニ住ス 時代貞治ノ頃 明治廿九年頃五百丗年余 長サ弐尺弐寸弐分有之 石黒家蔵」

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