商品詳細

刀 靖光(池田靖光)

昭和十四年六月吉日(靖国刀匠)

Katana [Ikeda Yasumitsu]
保存刀剣
NBTHK Hozon Paper
No. A00584
(附) 陸軍式軍刀拵
白鞘 銀鍍金軍刀鎺

刃長 : 65.2cm(2尺1寸5分強) 反り : 1.9cm(6分) 

元幅 : 2.85cm 先幅 : 1.9cm 元重 : 0.75cm 先重 : 0.55cm 

登録証:

群馬県教育委員会
平成1年7月20日
国: 東京都
時代: 現代 昭和14年 1939年

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
保存刀剣鑑定書
令和2年2月19日
銘: 靖光
昭和十四年六月吉日
形状 : 鎬造、庵棟、身幅尋常にて、重ねやや厚く、先反りつき、中鋒となり中鋒となる。
鍛 : 小板目肌よくつみ、精美にして、地沸つき、地景入り、潤いのある肌合いを呈す。
刃文 : 中直刃、足・葉わずかに入り、匂口しまりごころに、わずかに小沸つき、ささやかな砂流しかかる。
帽子 : 品良く小丸に返る。
彫物 : (なし)
茎 : 生ぶ、先入山、鑢目切、目釘孔一。
拵 : 陸軍軍刀拵 総長 : 105.5cm
鐔 :

立葵木瓜形、黄銅地、金鍍金、地透

高さ:6.9cm 幅:5.6cm 厚さ:0.8cm

柄 : 白鮫着、鶯色糸柄巻。長さ:26.5cm
縁頭 :

桜花図、素銅魚子地、高彫、無銘

高さ:4.1cm 幅:2.4cm

目貫 : 桜花紋三双図、素銅容彫、金鍍金

説明:

「靖国刀匠」とは、昭和8年7月に当時の陸軍大臣:荒木貞夫が有事に際した軍刀整備の為に組織した刀工集団 (財)日本刀鍛錬会に所属する刀匠たちの通称で、彼らが鍛えた刀剣は「靖国刀」と呼称され、その名は日本刀鍛錬会が靖国神社境内に置かれたことに由来している。創設には後に主事となった海軍大佐:倉田七郎らが尽力し、草創期の主任刀匠として宮口靖広、梶山靖徳、池田靖光などがいる。鍛錬会では、主として通常の軍刀の制作や陸海軍大学校の成績優秀な卒業生に贈られた御下賜刀(所謂恩賜の軍刀)などの制作を行っており、終戦により同会が解散するまでに約8100振の刀を制作したといわれている。現在でも鍛錬所の建物は靖国神社境内に残っているが、内部は改装されて茶室になっている。
池田靖光は、本名を池田修治といい、明治12年11月2日に山形県に生まれる。祖父に水心子正秀門の池田一秀入道竜軒、父に池田一光がおり、初銘を父と同じく「一光」と銘し、「羽州庄内住池田一光作 昭和二年正月日」などとも切る。昭和8年12月15日、先手の阿部靖繁(繁雄)、村上靖延(円策)とともに入会し、荒木貞夫陸軍大臣より刀匠銘「靖光」を授名、主任刀匠として第三鍛冶場を任せられる。昭和14年10月4日、停年、その後も指導にあたりながら少数を作刀する。昭和15年末、退会、帰郷し、昭和16年1月に没している。(財)日本刀鍛錬会での造刀数:約1100口。鍛錬会開設時より主任刀匠として参加し、宮口靖広、梶山靖徳とならぶ「靖国刀匠」の代表的刀工である。弟子に阿部靖繁、村上靖延、八鍬靖武などがいる。
本作は、来国俊の小太刀を想わせる出来であり、引き締まった姿に加え、地鉄の精美さは靖光の力量を十分に窺い知ることが出来る。陸軍式軍刀拵えが附帯し、刀緒の色が茶と青であることから尉官の士官が所持していたことがわかる。

備考:

古研ぎのため、全体に細かなヒケやアタリがあります。
全体の刃先や鎺元など薄錆がみられます。

白鞘・つなぎ新規製作

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