商品詳細

刀 於越後国大野義光作之

  平成二十八年春 (無鑑査)

Tachi [Ohno Yoshimitsu]
無鑑査
平成二十八年新作名刀展 無鑑査出品作品
Mukansa
No. A00523
白鞘 金着二重鎺

刃長 : 71.9cm(2尺3寸7分) 反り : 2.3cm(7分) 

元幅 : 3.5cm 先幅 : 2.5cm 元重 : 0.9cm 先重 : 0.6cm 

 

登録証:

東京都教育委員会
平成28年2月20日
国: 東京都
時代: 現代 平成28年 2016年

鑑定書:

銘: 於越後国大野義光作之
平成二十八年春
形状 : 鎬造、庵棟、身幅広く、重ね厚め、元先の幅差さまでつかず、腰反り高くつき、中鋒詰まりごころに猪首風となる。
鍛 : 小板目肌細かにつみ、地沸つき、地景入り、乱れ映りたつ。
刃文 : 大丁字乱れ、小丁字少しく交じり、総体に重花状となり、鎬にかかるほど焼き高く華やかに乱れ、足・葉よく入り、匂い本位にわずかに小沸付き、小さく金筋入り、砂流しかかり、刃縁にわずかに小さな飛焼を交える。
帽子 : 焼き深く、小さく乱れ込み、小丸に短く返り、先掃きかける。
彫物 : 表裏に棒樋を掻き流す。
茎 : 生ぶ、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔一。

説明:

大野義光刀匠は、昭和23年10月16日に新潟県西蒲原郡に生まれ、本名を吉川三男という。日本大学農獣医学部に入学し、学生時代より日本刀に興味を持ち、昭和44年に、吉原義人・吉原荘二刀匠らの鍛錬所で日本刀の製作の道に入る。昭和55年、文化庁より「美術刀剣類製作承認」を受け、刀匠となり、同年、新作名刀展に初出品する。昭和51年、新潟県黒崎町に鍛錬所を設けて独立する。昭和57年より62年まで、高松宮賞、文化庁長官賞の特賞を6回連続受賞し、昭和62年に無鑑査認定となる。昭和59年、伊勢神宮第61回式年遷宮の御神刀を謹作する。作風は、備前伝を得意とし、「大野丁子」と呼称される華やかな重花丁子乱れを焼く。就中、上杉家に伝来した名物「山鳥毛」(国宝)を写したものは国内外で高い評価を得ている。

本作は、姿は身幅広く、重ね厚め、元先の幅差がさまでつかず、腰反り高くつき、中鋒詰まりごころが猪首風となった鎌倉時代中期の豪壮な、所謂、益荒男振り(ますらおぶり)の太刀姿をよくしめてしている。地鉄は、小板目肌が細かにつみ、地沸つき、地景入り、乱れ映りたつ。刃文は、大野義光刀匠がもっとも得意とする鎬にかかるほどに高く華やかな重花丁子乱を焼き、備前福岡一文字派を想起させる覇気あるものとなっている。平成28年新作名刀展 無鑑査出品作品にて、研磨は差し込み研ぎで上研磨を施されおり、華やかな重花丁子と相俟って、より一層に迫力あるものとなっている。生ぶの太刀姿であるので刀身のみではなく、茎にもやや反りが加わり、腰元は焼き出し風に刃文の焼きの高さが穏やかになるなどといった細心の注意が払われている。

備考:

無鑑査

平成二十八年新作名刀展 無鑑査出品作品

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