粟田口一竿子忠綱

特別保存刀剣 NBTHK Tokubetsu Hozon Paper

No. F00031

白鞘 佐藤寒山先生鞘書

金着二重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 55.4cm  (1尺8寸2分強) 反り : 1.8cm  (6分)

元幅 : 2.9cm 先幅 : 2.2cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.5cm

登録証

愛媛県教育委員会

昭和44年10月15日

: 摂津国 (大阪府-北西部・兵庫県-南東部)

時代 : 江戸時代中期 元禄17年 1704年

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

特別保存刀剣鑑定書

平成17年06月23日

粟田口一竿子忠綱

元禄十七年二月日

形状

 

 

刃文

 

 

帽子

鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常にして、元先の幅差少なく、先反りのよくついた、中鋒延びごころの姿の良い元禄期の脇指姿。

板目よくつみ、部分的に少しく肌目が立ち、地沸微塵に厚くつき、地景よく入り、大阪新刀特有の精良な肌合いとなる。

元を直ぐに短く焼出し、その上は、互の目に丁子風の刃を交え、連れて焼き、足長く入り、いわゆる足長丁子となり、匂深く、小沸よくつき、金筋入り、砂流しさかんに長くかかり、匂口明るく冴える。

直ぐに品良く小丸。先掃きかける。

生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢目筋違いに化粧つく、目釘孔一。

説明

粟田口近江守忠綱は初代:近江守忠綱の子で、後に二代目を継ぎ、一竿子と号した。忠綱の作風は、初代同様に焼頭のよく揃った足の長い丁子乱れ、互の目乱れや濤欄刃風の乱れ、さらには直刃・浅いのたれ刃なども焼いている。また彫物を得意としており、刀身にその物を損ねることなく、よく調和している。

 

この脇指に見る頭の揃った足の長い丁子は、初代の最も得意としたところであり、二代もその作風を襲っている。しかし、初代の足長丁子はもっと匂出来となり、稀に乱映り風が立つものなどがあるが、二代の足長丁子は初代とは異なって、匂いが深く冴え、小沸が良くつくのが見どころである。砂流しが長くよくかかるところは初代・二代とも共通している。

 

元禄17年は、忠綱が60歳の作にあたり、まさに円熟期の忠綱の作風をよく示した代表的作品である。

 

余談ながら、大阪新刀の越前守助広・井上真改・一竿子忠綱などには、本作の様な2尺に満たない1尺9寸程の大脇指に出来の優れたものも多く、おそらくは豪商による特別注文のものと思量される。

 

※ 濤欄刃と彫物の作風については 【脇指:粟田口一竿子忠綱 彫同 宝永五年二月日】 を参考ください。

備考

新刀 上々作

良業物

 

佐藤寒山先生鞘書

「粟田口一竿子忠綱 元禄十七年二月日 丁子出来宜敷之 刃長壱尺八寸三分有之

 昭和甲寅年弥生吉日 寒山識(花押)」

粟田口一竿子忠綱
粟田口一竿子忠綱
粟田口一竿子忠綱
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