保存刀剣 NBTHK Hozon Paper |
No.A00437 |
長船長敏翁鞘書 白鞘 銀鍍金ハバキ |
売 約 済 |
刃長 : 49.7cm (1尺6寸4分) 反り : 1.1cm (3分強) 元幅 : 2.45cm 先幅 : 1.7cm 元重 : 0.45cm 先重 : 0.3cm |
登録証 : 兵庫県教育委員会 昭和45年02月19日 |
国 : 相模国 (神奈川県-中部・西部) 時代 : 室町時代中期 明応頃 1492-1500年頃 |
鑑定書 : (公)日本美術刀剣保存協会 保存刀剣鑑定書 平成27年07月14日 |
銘 : (額銘) 相州住広正 |
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形状 : 鍛 : 刃文 :
帽子 :
彫物 : 茎 : 鎬造、三ツ棟、身幅・重ね尋常に、浅く反りつき、中鋒となる。 板目、杢交じり、やや肌立ちごころに、地沸つき、地景入る。 互の目乱れ、小互の目・小丁子風の刃、小のたれなど交じり、足よく入り、棟焼・飛焼を盛んに交え、華やかな皆焼刃を形成し、小沸よく、金筋入り、砂流しかかる。 直ぐに小丸に返り、先掃きかける。 表裏に棒樋を丸留し、その下に、表は草の倶利伽羅、裏は梵字、四けつ(しけつ)、蓮台を肉彫する。 大磨上、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔一、指表に額銘がある。 |
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説明 : 相州廣正は、広光の一族といわれ、南北朝時代より室町時代中期にかけて同名が数代いると考えられ、文安・宝徳・長禄・文明頃の刀工が主に活躍した廣正である。本刀の作者は、銘振りより明応頃に活躍した廣正で寛正廣正の子という。 本作は、鎬造、三ツ棟、身幅・重ね尋常に、浅く反りつき、中鋒に結ぶ。大磨上の現状で長さは1尺6寸4分(49.7cm)であり、茎にかけても彫物の位置から勘案しても、元来の長さは室町中期の応仁・明応頃に多く見うけられる2尺(約60.6cm)前後であったものと推察される。室町初期の廣正には太刀銘と刀銘のものが混在するが、本作の作者である明応頃の広正は元来に刀銘であったものと考えられ、草の倶利伽羅が指表にあることからもそれは裏付けられる。刃文は、互の目乱れに小互の目・小丁子風の刃、小のたれなど交じり、足よく入り、棟焼・飛焼を盛んに交え、華やかな皆焼刃を形成し、小沸よく、金筋入り、砂流しかかる。彫物は、表に草の倶利伽羅、裏に梵字・四けつ(しけつ)・蓮台を配している。磨上げとそれに伴う額銘も掟にかなった丁寧なもので、長船長敏翁の珍しい鞘書もあることから良い筋に伝わったものであろう。研磨は古い差し込み研ぎとなっており、華やかな皆焼刃が差し込み研ぎによく映えている。相州物の魅力に溢れた楽しめる一振りとなっている。 |
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備考 : 末古刀 上々作。
長船長敏翁鞘書 「相州住廣正 刃長一尺六寸五分有之 昭和丙子春 長船長俊識」
古研ぎのために、処々に薄錆とヒケがみられます。指表、樋中の中程に小傷があります。 鞘が古いために少し傷みがあります。 |