森岡正吉

保存刀剣 NBTHK Hozon Paper

No.A00290

本阿弥光遜先生:折紙・刀箱・鞘書

白鞘  銀無垢一重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 69.2cm  (2尺2寸8分) 反り : 2.0cm  (6分)

元幅 : 2.7cm 先幅 : 1.7cm 元重 : 0.8cm 先重 : 0.5cm

登録証

埼玉県教育委員会

昭和26年11月01日

: 東京都

時代 : 近代 大正4年 1915年

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀剣鑑定書

平成24年01月27日

以古備前伝正吉造之 (森岡正吉)

大正四年八月十五日

形状

刃文

帽子

彫物

鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常に、浅く反りつき、中鋒となる。

小板目肌よくつみ、地沸厚くつき、地景入る。

直ぐ調に小互の目連れて交じり、足入り、匂深く、小沸よくつき、砂流し細かにかかる。

直ぐに小丸に返る。

表裏に上り龍・下り龍を肉彫りする。

生ぶ、先栗尻、鑢目筋違化粧つく、目釘孔一。

説明

 森岡正吉は、本国が土佐にして、南海太郎朝尊の孫という。宮本包則、及び月山貞一に師事し、東京:麹町・小石川などに住み、同じく土佐出身の田中光顕の援助を受け、物質的には恵まれていたという。大正9年2月3日、46歳にて没す。子に森岡正孝、弟子に笠間一貫斉繁継らがいる。作風は、月山貞勝に近似し、姿の優しい作品が多く、刃紋は直刃に足が入り匂深いもの、逆丁子刃などを焼き、龍図の彫物も巧みである。また、元帥刀を製作する栄誉を得たのは森岡正吉・月山貞勝・笠間繁継・堀井俊秀の四名のみとなる。若くして没してしまったのは誠に残念であるが、明治・大正を代表する名人といえる。

 本作は、月山貞一の高弟である森岡正吉が41歳の入念作にて、地鉄は小板目が詰んだ精美な肌合いとなる。刃紋は古備前を意識したことによるものか、やや穏やかな小沸出来の互の目乱れとなる。腰元には、表裏に上り下り龍の彫物をを精緻に肉彫りしている。月山貞一・貞勝父子の作と比較しても負けずとも劣らない森岡正吉の技倆の高さが窺い知れる優品である。

 昭和18年の本阿弥光遜先生による折紙・刀箱・鞘書が附帯し、鞘をみても最上級の素材が使用されており、よほどの名家に伝来した一振りと推察される。

備考

古研ぎの為、上部を中心にヒケがあります。棟・鎬地にわずかに錆の痕跡があります。

 

本阿弥光遜先生筆

折紙 「正吉之添書」「以古備前伝鍛造壮生中心在銘正吉之御刀遂熟覧□□東都森岡にて正真□之□地刃共に出来□□殊に双竜の彫□□□永く御家宝に成□□」「昭和拾八年癸未長弐尺弐寸八分在之 (落款)」

刀箱 「森岡正吉刀 壱口」「昭和拾八年癸未弥生 本阿弥光遜(落款)」

鞘書 「東都住森岡正吉 長弐尺弐寸八分在銘也表裏竜之彫在 昭和拾八年癸未弥生 本阿弥光遜(花押)」

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