越前守信吉

保存刀剣 NBTHK Hozon Paper

No. A00087

白鞘  銀着一重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 62.0cm  (2尺0寸4分半) 反り : 1.0cm  (3分)

元幅 : 3.0cm 先幅 : 2.0cm 元重 : 0.75cm 先重 : 0.5cm

登録証

山形県教育委員会

昭和26年05月23日

: 山城国 (京都府-南部)

時代 : 江戸時代中期 延宝頃 1673-1681年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀剣鑑定書

平成19年02月01日

(菊紋)一 越前守源来信吉

形状

 

 

刃文

 

 

帽子

鎬造、庵棟、身幅尋常にて、重ねやや厚く、反り浅く、中鋒にて、鎬幅やや広めとなり、刃長が2尺4分半と刀の定寸としてはやや短い。

板目、杢交じり、鎬の柾顕著にて、地沸細かによくつき、地景入り、ハバキ元に水影現る。

元を直ぐに短く焼出し、その上はのたれに互の目・やや角がかった刃など交じり、物打ち辺には片山乱れを交え、処々玉を焼き、濤欄風となり、匂い深く、小沸よくつき、細かに砂流しかかる。

焼深く、先やや丸風にて、返りやや深い。

生ぶ、先切となり丸みを帯びる(元来は入山形、尻のみつまむ)、鑢目筋違いに化粧付く、目釘孔二。

説明

越前守信吉は、山城の初代:信濃守信吉(正保頃)の三男にて、入道して倫信と称す。但し、入道銘の作刀は現存しない。その作刀に見る年紀は、寛文・延宝・元禄の間のもので、生没年等については不明である。各代:信吉の中において、最も技倆が優れるといわれる。

作風は大きく大別して二つあり、多くは直刃を焼いて、匂深く小沸よくつき、匂口の冴えたもので、一見、井上真改風のものがある。また、それとは別に、当時、一世を風靡した津田越前守助広の濤欄乱れ風のものがあり、いずれも上手である。

本作は、その後者であり、物打ちの辺りが特にのたれに片山乱れを交え、玉を焼き、濤欄風となっている。信吉の濤欄風の作風は、長いものよりも脇指にまま多くみられ、出来が良いものが多い。この刀は、寸法からして特別注文によるものであろう。拵の関係で、区は生ぶであるが、後世に茎の先を一文字につめたのは惜しまれるが、上の出来は優れた出来映えを示しており、大坂の豪商の指料であったのであろうか。銘振りや「(菊紋)一」「源」の字を加えているところから、元禄頃の信吉の晩年作にあたる優品である。

備考

新刀 中上作。

業物。

越前守信吉1
越前守信吉2
越前守信吉3

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