兼得

保存刀剣 NBTHK Hozon Paper 高級居合刀向

No. A00044

黒呂色塗鞘打刀時代拵入り  銀着一重ハバキ

  売約済

刃長 : 70.8cm  (2尺3寸3分) 反り : 2.0cm  (5分半)

元幅 : 2.9cm 先幅 : 2.3cm 元重 : 0.45cm 先重 : 0.4cm

刀身重量(裸身) : 715g  刀身重量(鞘を払って) : 1,065g

登録証

京都府教育委員会

昭和26年07月25日

: 美濃国 (岐阜県-南部)

時代 : 室町時代後期 天正頃 1573-1592年

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀剣鑑定書

平成18年0月31日

兼得(かねなり)

形状

 

 

刃文

 

 

帽子

鎬造、庵棟、身幅尋常、元先の幅差少なく、重ねやや薄く、磨上げながら反りよくつき、中鋒延びごころとなる。

板目、総体にやや肌立ちごころに、部分的に柾が流れ、地沸つき、地景入り、白気映り立つ。

直刃を基調に、わずかにのたれごころを帯び、、小足・葉よく入り、匂口締まりごころにわずかに小沸つき、部分的に叢だち、刃縁に砂流しかかり、指表の中程やや下に玉状の飛焼を交える。

表:小さく乱れこみ、裏:直ぐ調に小丸。先掃きかける。

磨上げ(約7.5cm)、先切、鑢目旧:逆鷹の羽、新:勝手下がり、目釘孔二。

 

縁頭

 

目貫

黒呂色塗鞘打刀時代拵 総長 : 99.2cm

雲竜図、丸形、鉄槌目地、鋤下彫、金銀象嵌色絵、角耳、小肉、両櫃孔、無銘

高さ:7.4cm 幅:7.3cm 厚さ:0.65cm

黒糸柄巻 24.5cm

雲竜図、赤銅魚子地、高彫金象嵌色絵、銘:後藤(花押)(銘-不可)

高さ:4.0cm 幅:2.2cm

秋草に鷺図、赤銅地容彫、金象嵌色絵

説明

兼得は、銘鑑では永正頃、永禄頃、天正頃の3名を挙げているが、本作は上身の出来や元来の刃長が2尺5寸程であることなどから天正頃の兼得と鑑せられる。

 

美濃伝は、有名な「三本杉刃」に代表される互の目に尖り刃を交える作風が最も有名だが、本作の様なキリっと匂口の締まった直刃に、足・葉を交える、来国俊あたりを狙った所謂「来写し」が存在し、善定兼吉などに多く見られ、もう少し時代の上がる永正・大永頃の有名な孫六兼元・和泉守兼定(ノサダ)などにも、短刀に「来写し」の直刃が見られ、刀にも稀に見られる。

 

また、美濃物は古来より業物としても名高く、業物位列にも美濃鍛治の名が多く見られる。

その凄まじい切れ味は孫六兼元の刀はその焼刃の低い部分では鋼が削れるなど多くの逸話がある。

切断銘の記録においても、例えば虎徹でさえ最大で四ツ胴切に対して、美濃物は五ツ胴切、六ツ胴切が存在し、兼房にいたっては切断銘の記録上最大の七ツ胴があり、その切れ味は記録の上でも群を抜いているといえる。

 

ともあれ、本作は鑑賞刀としても十分に楽しんでいただき、また居合刀としてもご使用いただける日本刀の2つの美である「鑑賞の美」「機能美」の両方を兼ね備えたお奨めの一振である。

備考

古研ぎの為、全体に小傷・ヒケ・錆などがみられます。

指表の物打ちやや下に傷あり。

鞘にも全体に小傷が多数あります。

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