古宇多

特別保存刀剣 NBTHK Tokubetsu Hozon Paper

No.F00049

白鞘  金着二重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 63.4cm  (2尺0寸9分) 反り : 1.2cm  (4分)

元幅 : 3.0cm 先幅 : 2.6cm 元重 : 0.35cm 先重 : 0.3cm

登録証

東京都教育委員会

昭和42年01月12日

: 越中国 (富山県)

時代 : 南北朝時代 貞治頃 1363-1367年

 

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

特別保存刀剣鑑定書

平成12年05月11日

(無銘)古宇多

形状

 

 

刃文

 

 

帽子

彫物

鎬造、庵棟、身幅広く、重ね薄く、鎬筋高く、元先の幅差少なく、反りつき、大鋒に結ぶ豪壮な姿を呈す。

大板目、杢交じり、処々流れ、総体に肌立ち、地沸厚く部分的に叢につき、地景太くよく繁く入り、鉄色黒みがかる。

浅いのたれを主調に互の目・小互の目・角張る刃など交じり、足・葉入り、沸づき、総じて叢だち、部分的に荒沸となり、金筋・砂流しさかんにかかり、刃縁に飛焼・湯走りなど交える。。

焼き深く、浅く乱れ込み、尖って返り、先さかんに掃きかける。

表裏:茎に薙刀樋の痕跡がある。

大磨上、先切、鑢目勝手下がり、目釘孔四。

説明

宇多派は鎌倉末期の古入道国光を祖として、南北朝時代に国房・国宗・国次等の刀工が活躍し、同銘相継いで室町末期に亘って栄えている。この内、鎌倉末期から南北朝期の作品を古宇多と総称している。同派は大和伝と相州伝の両方が加味された作風をしている。地鉄は板目に杢目を交えてやや大肌となり、地が黒ずんでカス立つ処があり、刃文は小沸出来の中直刃に金筋、砂流しを交えながらも匂い口が潤みごころとなる。

 本刀は、身幅広く、重ねが薄く、鎬筋が高く、鎬地の肉を落とし、約7.0cmの大切っ先の姿に、茎の表裏のハバキ下には薙刀樋の痕跡が残っており、加えて帽子の返りが長く焼詰め風になっている点などから、間違いなく南北朝時代の三尺を超える大太刀であったことは明瞭である。迫力ある大切っ先が往時の豪壮なる姿を物語っている。地鉄は、大板目が、処々流れ、肌立ち、地沸が叢につき、地景が太く入り、鉄色が黒ずむなど北国物であることが頷ける。刃文は、小沸出来ののたれに、互の目交じり、処々小さな飛焼を加え、刃中に足・葉、金筋・砂流しなどを交え、相州物を想われるが、やや沸が叢につき、はだか沸となる点や、刃文の中でやや角張った刃が交わる点などは、やはり古宇多を考えさせる。

備考

気になるほどではありませんが、強いていえば、数カ所わずかな小傷・鍛え割れがみられます。

古宇多1
古宇多2
古宇多3
古宇多4

刀剣や刀の販売なら日本刀販売専門店つるぎの屋のTOPページに戻る