備前長船景光

特別保存刀剣 NBTHK Hozon Paper

No.A00490

白鞘  田野辺探山先生鞘書 銀無垢重ハバキ

      売 約 済

刃長 : 23.6cm  (7寸7分半) 反り : 内反り

元幅 : 2.1cm 元重 : 0.35cm

登録証

東京都教育委員会

昭和31年06月21日

: 備前国 (岡山県-南東部)

時代 : 鎌倉時代後期 元応頃 1319-1320年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

特別保存刀剣鑑定書

平成29年03月24日

(無銘) 長船景光

形状

 

刃文

 

帽子

彫物

平造、三ツ棟(中筋広く)、身幅尋常に、先反りつく。

板目よく錬れてつみ、杢交じり、部分的にわずかに柾がかり、肌立ちごころに、地沸つき、地景入り、淡く直ぐ状の映りたつ。

片落ち互の目を主調に、小互の目交じり、足入り、匂勝ちにわずかに小沸つき、金筋入り、砂流しかかる。

直ぐ調にのたれて、小さく小丸に尖りごころに返り、先掃きかける。

表裏に棒樋を掻き流す。

生ぶ、先浅い栗尻、勝手下がり、目釘孔四中一埋(第四目釘孔が生ぶ孔)。

説明

 長船景光は光忠-長光と続く長船の嫡流三代目にあたり、現存する製作年紀は鎌倉末期の嘉元から建武まであり、その間30余年にわたっている。景光の作風は父:長光ほどに丁子が目立たず、互の目を主調とした小模様の乱れを焼き、刃幅が概ね一定したもので、刃文の華麗さでは父に及ばないものの、鍛えはよく錬れて約み、その精緻なるは父に優るほどである。また特色ある片落ち互の目を完成したことも特筆されるが、刃文全体が整然たる片落ち互の目で構成されたものは短刀で、太刀は一部分にこれを交えるのが通例である。

 本作は、第四目釘孔が生ぶ孔と推察され、約5cmの磨上げとなっており、生ぶの長さに戻せば9寸(約27.6cm)ほどの短刀と思量される。磨上げながら、やや細身の身幅に内反りつき、棟は三ッ棟の中筋が広くなるなど整った短刀姿を示している。地鉄は、小板目肌がよくつみ、精美にして、杢交じり、部分的にわずかに柾がかり、地沸つき、地景入り、淡く直ぐ状の映りがたつ。刃文は片落ち互の目を主調に、小互の目、足入り、匂勝ちにわずかに小沸つき、金筋入り、砂流しかる。無銘ながら長船景光の極めのついた優品で、精良なる地鉄、片落ち互の目の刃文といった景光の特色があらわされている。

備考

古刀最上作。

 

田野辺探山先生鞘書

「備前国長船景光 長七寸七歩半 時在丙申陽月

少シク磨上無銘也 片落ち互乃目主調ノ乱ヲ焼キ直グ映リヲ現スナド同工ノ特色ヲ顕現スル所作也」

備前長船景光1
備前長船景光2
備前長船景光3
備前長船景光4

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