信国

保存刀剣 NBTHK Hozon Paper

No.A00273

(附) 黒呂色塗二分刻蛭巻鞘脇指拵

白鞘  金着二重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 39.5cm  (1尺3寸1分半) 反り : 0.8cm  (2分)

元幅 : 2.75cm 元重 : 0.6cm

登録証

東京都教育委員会

昭和26年03月13日

: 山城国 (京都府-南部)

時代 : 室町時代初期 応永頃 1427年

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀剣鑑定書

平成23年06月21日

(金象嵌銘) 信国挙之 (年代応永)

形状

刃文

 

帽子

彫物

平造、三ツ棟、身幅広く、重ね厚く、反りつき、大柄の体配となる。

板目、杢交じり、処々柾がかり、地沸厚くつき、地景入る。

互の目乱れ、小互の目・尖り刃・矢筈風の刃など交じり、互の目を2つ、1つ、2つ、1つと規則的に焼き、足入り、匂深く、小沸よくつき、金筋入り、砂流しかかる。

浅くのたれて、大丸に短く返り、先掃きかける。

表裏に二筋樋を掻き流す。

生ぶ、先栗尻、鑢目筋違、目釘孔一。

 

縁頭

 

目貫

小柄

黒呂色塗二分刻蛭巻鞘脇指拵 総長 : 63.5cm

馬具図、丸形、鉄地、地透、両櫃孔、赤銅覆輪、無銘

高さ:6.3cm 幅:6.2cm 厚さ:0.6cm

白鮫着、茶色糸柄巻。長さ:14.8cm

鷹図、赤銅磨地、高彫、金色絵、友善(と銘がある)

高さ:3.8cm 幅:2.3cm

菊水図、赤銅容彫、金銀色絵

枝菊図、赤銅魚子地、高彫、金銀色絵、裏金削継 縦:9.9cm 横:1.45cm

説明

 信国は、京鍛冶の名門で、南北朝時代から室町時代にかけて華やかな繁栄をみた。初代信国は了戒系の刀工で、相州貞宗の門に学ぶと伝え、延文・康安・貞治の年紀をみる。以後南北朝末期に代替わりの信国が存在し、さらに応永頃にはいってからの信国派には式部丞信国・左衛門尉信国の両工が代表者で、他に二字銘の信国を銘する刀工がいて、いずれも応永年紀をきるところから「応永信国」と呼ばれて著名である。同名が何人いるか明らかではないが、さすがに京鍛冶の名門であるだけに信国を名のる刀工には優れたものがみられる。

 信国初代の作風は京物の伝統を示した直刃と貞宗風を承けた湾れ刃の二様が主であったが、南北朝末期の代替わりの信国から「応永信国」にかけては上記の作風のほかに互の目調の乱れ刃の作域が新たに加わる。

 この脇指は、金象嵌銘にて「信国挙之」とある。ただ「信国」のみであれば信国と極め、金象嵌を入れた意であるが、「信国挙之」の場合は、在銘の信国の刀を磨上て金象嵌を施したことを意味する。大磨上の現状で1尺3寸1分半(39.5cm)であるから、元来は相当に大ぶりな平脇指だったのであろう。重ねが厚めに棟が三ツ棟となり、中筋がやや広目となっており、貞宗風の二筋樋があるなど如何にも京信国の風情がある。刃紋は、互の目乱れにて、矢筈風の刃を交えて、2つ、1つ、2つ、1つと規則的に焼く作域から、式部丞信国・左衛門尉信国のいずれかの判断はむずかしいものの応永頃の信国の鑑せられる。附帯する黒呂色塗二分刻蛭巻鞘脇指拵が作品の格調をより高からしめている。

備考

古研ぎの為、全体に細かいヒケ・薄錆びがあります。数ヶ所に小さい鍛え割れがあります。

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