尻懸

第49回重要刀剣 NBTHK Jyuyo Paper No.49

No.F00223

白鞘  金無垢二重ハバキ

      売 約 済

刃長 : 68.3cm  (2尺2寸5分) 反り : 1.5cm  (4分半)

元幅 : 2.7cm 先幅 : 1.85cm 元重 : 0.65cm 先重 : 0.5cm

登録証

香川県教育委員会

昭和38年01月14日

: 大和国 (奈良県)

時代 : 鎌倉時代後期 文保頃 1317-1318年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

重要刀剣指定書

平成15年10月9日

(無銘) 尻懸

形状

刃文

 

 

帽子

彫物

鎬造、三ツ棟、身幅やや狭く、元先の幅差つき、反り浅く、中鋒。

板目に大板目・杢交じり、処々流れ、肌立ちごころとなり、地沸つき、地景入る。

直刃基調にのたれをおび、互の目交じり、処々小互の目連れ、足・葉入り、小沸よくつき、総体にほつれ、喰違刃・二重刃・湯走り等を交え、砂流し頻りにかかり、金筋入り、飛焼交じり、匂口明るい。

さかんに掃きかけ、表は火焔風となり、裏小丸に短く返る。

表裏に棒樋を掻き通す。

大磨上、先切り、鑢目浅い勝手下がり、目釘孔二、無銘。

説明

 大和五派の中の尻懸派は、則長を事実上の祖として栄えた。則長には文保3年・48、暦応3年・69と行年を添えた短刀が現存し、それによって逆算すると、文永9年の生まれであることが理解される。さらに降っては室町期の後代の作もままあって、同名の継承があったことが窺知される。この派の作風は、鎬が高く、鎬幅が広い造込みで、鍛えは板目が流れごころとなり、刃文は直刃基調という大和物一般に共通したものであるが、刃中に小互の目を連れて焼く点に特色が見られ、また別に直刃出来の作もある。

 この刀は、板目に大板目・杢、部分的に流れ肌を交えた鍛えに、地沸がつき、地景が入り、刃文は直刃基調にのたれをおび、互の目が交じり、処々に小互の目が連れ、小沸がよくつき、総体にほつれ、喰違刃・二重刃・湯走り等を交え、砂流しが頻りにかかり、金筋が入り、帽子はさかんに掃きかけるなど、大和物、就中、尻懸派の特性が表出されている。地刃の働きが目立ち、且つ匂口が明るい一口である。

備考

尻懸1
尻懸2

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