後藤延乗光孝

保存刀装具 NBTHK Hozon Paper

No.B00094

桐箱 阿弥屋惣右衛門箱書

     売 約 済

縁 竪長さ : 3.85cm    : 2.1cm  高さ : 1.25cm

頭 竪長さ : 3.5cm    : 1.7cm  高さ : 0.65cm

画題

鯉魚図

: 武蔵国 (東京都・埼玉県・神奈川-東部)

時代 : 江戸時代後期

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀装具鑑定書

平成13年10月18日

後藤光孝(花押)

 

四分一魚子地、高彫、金色絵

説明

 後藤延乗光孝は、後藤家十二代:寿乗光理の嫡男で、享保7年の生まれである。寛保2年、父の光理が歿したので、名を四郎兵衛光孝に改め宗家十三代目を継ぎ、その在任期間は十代目廉乗に次いで歴代二番目の長きにわたって活躍した。光孝の作風は後藤家の伝統を墨守し、技術を継承したものが多い。

 一見、赤銅地を思わせる黒四分一地にきめの細かな赤銅地をまき、頭の小縁には波地を鋤出彫にて仕上げている。頭には、画面一杯に悠然と泳ぐ一匹の鯉を力強く金色絵の据紋であらわし、縁には、表裏共にやはりゆったりと泳ぐ二匹鯉を大きく据紋にて表現している。魚子地の間にわずかであるが水泡をみせ心にくい。元来、金無垢の鵐目(しとどめ)がついていたものと思われるが、残念ながら、現在はついていない。

 後藤本家の作ながら、珍しい黒四分一を使用し、かつ頭の小縁を波地で仕上げるなど珍品である。ともあれ、大振りで悠然と泳ぐ鯉を眺めていると心の安まる逸品である。

 余談ながら、四分一というと銀と銅が1対3(25:75)の割合の合金で、4分の1が銀のため「四分一銀」と呼ばれている。赤銅は銅に対して1〜10%の金を混ぜた合金で、金の含有量が多い程に黒の発色が青や紫がかり良くなり上物とされる。7〜10%のものは紫がかった黒のため最上とされ紫金とも呼ばれる。

黒四分一とは、さらに四分一と赤銅が4対6の割合の合金で、分量により黒みが変化し、赤銅とはひと味違う黒みが得られる。

備考

阿弥屋惣右衛門箱書箱書

「後藤延乗 縁頭」

「後藤光孝花押在銘 傑作

四分一七子地赤銅□小縁据紋高彫色絵

鯉之図 頭ニ浪ヲ鋤出彫有之

昭和庚寅夏 阿弥屋惣右(落款)」

後藤延乗光孝1
後藤延乗光孝2
後藤延乗光孝3
後藤延乗光孝4
後藤延乗光孝5
後藤延乗光孝6
後藤延乗光孝7
後藤延乗光孝8
後藤延乗光孝9
後藤延乗光孝10
後藤延乗光孝11
後藤延乗光孝12
後藤延乗光孝13
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後藤延乗光孝16

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