吉岡因幡介

保存刀装具 NBTHK Hozon Paper

No.B00093

刀装小道具銘字大系 所載

桐箱

     売 約 済

長さ : 9.7cm    : 1.5cm

画題

白鳥図

: 武蔵国 (東京都・埼玉県・神奈川-東部)

時代 : 江戸時代後期 天保14年 1843年

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀装具鑑定書

平成23年11月02日

行年八拾三歳吉岡因幡介

天保十四癸卯年九月

 

赤銅魚子地、高彫、金銀色絵

説明

 吉岡家は、徳川幕府の抱え金工として百俵十人扶持を支給された権威ある家柄で、初代の重次が慶長年間に徳川家康に召し出されてから幕末の九代重貞に至るまで繁栄を誇っている。

この間歴代にわたって藤原姓を冠称し、二代からは因幡介の官位を受領しているが、上代の作は幕府への納品のため全て無銘である。吉岡因幡介と五字銘にきるのは、五代易次あたりかと思われるが、個銘をきらぬため代別は困難である。

 本作は、七代:照次の作と鑑せられ、照次は宝暦11年(1761)に生まれ、安永4年(1775)年に十一代将軍:徳川家斉公にお目見えし、享和2年(1802)、家督を相続し在任期間は47年間に及び、嘉永2年(1849)、89歳にて歿している。吉岡家の中でも、最も在任期間が長く、数多くの名品を遺している。

 この小柄は、白鳥が銀着せにて、銀の色が真っ白で目映いばかりである。よく観察すると白鳥の嘴にはわずかに金色絵が施された入念な作であることがわかる。ゆったりと流れる波を真っ黒な赤銅で仕上げ、黒と白のコントラストが見事である。この図は吉岡因幡介の得意とした図柄で代表作といっても過言ではない。極めて保存状態がよいばかりでなく、代表的な作風にて、加えて銘振りが天保14年という製作年号に年齢なども添えられ大変貴重な逸品といえる。

 同様の図柄が、刀装小道具講座や刀装小道具名品集、日本装剣金工史などにもあり、なお、本作は刀装小道具銘字大系に所載されている。

吉岡因幡介1
吉岡因幡介2
吉岡因幡介3
吉岡因幡介4
吉岡因幡介5
吉岡因幡介6
吉岡因幡介7
吉岡因幡介8
吉岡因幡介9
吉岡因幡介10

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