長船義景

特別保存刀剣 NBTHK Tokubetsu Hozon Paper

No.A00356

白鞘  田野辺探山先生鞘書 金着二重ハバキ

(附) 青貝微塵塗鞘脇指拵

      売 約 済

刃長 : 47.4cm  (1尺5寸6分強) 反り : 1.4cm  (4分強)

元幅 : 3.15cm 元重 : 0.3cm

登録証

埼玉県教育委員会

平成25年05月14日

: 備前国 (岡山県-南東部)

時代 : 南北朝時代 貞治頃 1362-1367年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

特別保存刀剣鑑定書

平成25年08月15日

無銘 (長船義景)

形状

刃文

 

帽子

薙刀直し造、庵棟、身幅広め、重ね薄く、鎬高く、反りつく。

板目、杢交じり、総じて柾がかり、肌立ちて、地沸つき、地景入り、淡く映りたつ。

小のたれ調に小互の目・尖り刃交じり、足入り、総体に小模様となり、匂勝ちに小沸つき、砂流しかかる。

直ぐ調に焼詰め、先掃きかける。

大磨上、先切、鑢目勝手下がり、目釘孔一。

 

縁頭

 

目貫

小柄

青貝微塵塗鞘脇指拵 総長 : 70.4cm

破れ扇図、丸形、鉄地、鋤出彫、金布目象嵌、両櫃孔、無銘

高さ:7.5cm 幅:7.6cm 厚さ:0.4cm

白鮫着、黒糸柄巻。長さ:16.2cm

菊唐草図、赤銅魚子地、高彫、金・銀・素銅色絵、無銘

高さ:4.1cm 幅:2.3cm

葡萄図、赤銅魚子地、容彫、金色絵

小菊に親子鶏図、赤銅魚子地、高彫、金色絵、裏含金 縦:9.7cm 横:1.5cm

小菊に親子鶏図、赤銅魚子地、高彫、金色絵 縦:21.4cm 横:1.3cm

説明

 備前大宮派は、同派の遠祖:国盛が、山城国猪熊大宮より備前に移住したことに始まると伝え、「備州長船盛景」などと長銘にきる盛景がその代表工とされてきたが、近年その作風や逆鏨にきる銘字の共通性より、同工は近景・義景らの系譜に連なる長船傍系の刀工で、むしろ「盛景」「盛継」などと太鏨大振りに銘をきる鍛冶達こそが、国盛の流を汲む真の意味での大宮鍛冶ではないか、とする新説が生まれ、従来の説に再検討を促している。長船義景はついては、古来、兼光門下説、長義門下説等の諸説がある。しかし、その作風の類似性や、逆鏨にきる特色ある銘振りなどから、近年では近景や盛景らと同族の長船傍系の刀工ではないか、とする見解が有力視されている。

 義景は、薙刀の名手として知られ遺例が数振残されている。殊に、伊達家に伝来した重要文化財のものは代表作となっている。この脇指は、薙刀直しながら、身幅が広く、鎬筋高く、肉置きも豊かで健体である。元来は2尺を優に超える堂々とした大薙刀だったものと思量され、地鉄は、板目に杢を交えて、総体に流れ、乱れ映りが淡く立つ。刃文は、小のたれ調に小互の目・尖り刃交じり、足入り、総体に小模様となるなどの作風をみせ、備前物の魅力をよくあらわしている。茎は入念な手により磨り上げられており、茎尻は 切りの慶長上げとなっている。

 附帯する青貝微塵塗鞘脇指拵は、鞘が青貝塗で表裏に横一線に細かに螺鈿の装飾が加えられ、一層に華やかとなった時代の拵となっている。

備考

古刀 上作。

大業物。

 

田野辺探山先生鞘書

「備前国長船義景 薙刀直無銘也 時代南北朝中葉 同工ニハ薙刀或ハ薙刀直ノ作例多シ 本作ハ互乃目調ノ乱レガ小模様ヲ呈シ沸付クナド彼ノ特色ヲ明示スル優品也

惟時葵巳蘭月 探山邊道識(花押)」

 

古研ぎの為、全体に刃先に薄錆がみられます。処々に小傷・鍛え割れがあります。

長船義景1
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