備前長船重光

保存刀剣 NBTHK Hozon Paper

No.A00233

白鞘 佐藤寒山先生鞘書

素銅上貝銀着二重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 57.4cm  (1尺8寸9分半) 反り : 2.2cm  (7分弱)

元幅 : 2.45cm 先幅 : 1.6cm 元重 : 0.5cm 先重 : 0.35cm

登録証

愛媛県教育委員会

昭和48年02月20日

: 備前国 (岡山県-南東部)

時代 : 南北朝時代末期 至徳頃 1384-1386年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀剣鑑定書

平成23年01月28日

備州長船重光 (時代南北朝末期)

形状

 

刃文

 

帽子

鎬造、庵棟、身幅やや細く、重ね尋常に、磨上げながら反りたかくつき、中鋒となる。

板目に杢を交え、総体に肌立ちて、大肌を交え、処々柾がかり、地沸つき、地景入り、淡く映り立つ。

角がかった小互の目を連れて焼き、部分的に小のたれ調となり、足入り、匂本位にわずかに小沸つく。

表は乱れ込み、裏は直ぐに小丸に返り、先掃きかける。

磨上げ、先切、鑢目旧:筋違・新:勝手下がり、目釘孔二(第二目釘孔が生ぶ孔)。

説明

 備前長船重光は、銘鑑には数代あるが、景光の次男にして、兼光の弟にあたる義光の門に南北朝末期である至徳頃に一人おり、本作の作者はこの鍛冶であろう。

 小太刀とは、文字通りに短い太刀であるが、2尺前後(60cm)から1尺7〜8寸(51.5〜54.5cm)の古刀で、銘が佩き表に切ってあるものをいう。古くは鎌倉時代初期の豊後行平の作が遺されており、国宝指定品に来国俊の作もある。小太刀を鍛える刀工には、剣も同様であるが比較的に位の高い名工が多い傾向がみられる。小太刀は若い公達が佩いたもの、牛車のなかで使用されたもの、元服用として製作されたなどの諸説があるが真相は明らかでない。

 本作は、約6cmの磨上げであるが、生ぶの姿に戻せば、ほぼ2尺(60cm)ほどであり元来、小太刀として製作されたものと推察される。銘字もやや不鮮明ではあるが、「備州」の二字ははっきりと判読が可能で、その字形や目釘孔が轆轤ではなく鏨で開けられている点からも南北朝時代を下らぬ作であることは明らかである。地鉄は、板目に杢目が交じり、鎬地にも杢がよくあらわれ、これも古刀の見処のひとつといえる。刃文は、鋸刃のような角がかった小互の目を連続して焼いており、師匠である義光に相通じる作域をみせている。

 全体にやや傷・ヒケがみられ、研ぎ減りによる疲れも否めないものの古刀の魅力をよくあらわした南北朝時代の小太刀である。鞘は古いもので、木が通常のものよりもかなり薄く作られている。これは技術的にも難しく、大名家などの名家に伝えられた刀剣の鞘には、この様な鞘がまま見受けられる。本作も「備前物」として筋の良い家に伝えられたものであろうか。

備考

古刀 上作。

 

佐藤寒山先生鞘書

「備州長船重光 刃長壱尺八寸九分有之

昭和癸丑年盛夏 寒山誌(花押)」

 

保存刀剣鑑定書では、「長船重光」の部分を一字づつ四角(□)でくくります。

 

古研ぎの為に、全体に小傷・ヒケがみられます。

備前長船重光1
備前長船重光2
備前長船重光3
備前長船重光4
備前長船重光5
備前長船重光6

刀剣や刀の販売なら日本刀販売専門店つるぎの屋のTOPページに戻る