宮原正近

特別保存刀剣 NBTHK Tokubetsu Hozon Paper

No.A00184

白鞘  金着一重ハバキ

新刀集(刃文と銘字) 藤代義雄先生:著 所載

     売 約 済

刃長 : 71.2cm  (2尺3寸5分) 反り : 1.5cm  (5分)

元幅 : 3.1cm 先幅 : 2.2cm 元重 : 0.65cm 先重 : 0.5cm

登録証

愛知県教育委員会

昭和26年05月01日

: 薩摩国 (鹿児島県-西部)

時代 : 江戸時代中期 寛保元年 1741年

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

特別保存刀剣鑑定書

平成12年05月11日

薩州住藤原正近

寛保元年三月

形状

 

 

刃文

 

 

帽子

鎬造、庵棟、身幅広く、重ねやや厚く、元先の幅差少なく、平肉豊かにつき、浅く反りつき、中鋒の延びた堂々とした体配となる。

板目よくつみ、杢少し交じり、処々柾がかり、地沸厚くつき、処々荒沸状となり、地景太く入る。

浅い小のたれ調に、互の目・小互の目、少しく尖り刃交じり、足入り、小沸よくつき、刃縁に湯走り状の荒沸つき、金筋・砂流しさかんにかかり、湯走り・打ちのけを交え、匂口明るい。

直ぐ調に浅く乱れ込み、先小丸に返り、さかんに掃きかける。

生ぶ、先入山、鑢目勝手下がり、目釘孔一。

説明

宮原正近は、主水正正清の子で、宮原源右衛門といい、通称を覚太夫と称し、父の没後に清右衛門と改め、寛保3年に歿する。その作風は、父:正清同様に相州伝上作をねらいとし志津風のものが多く、父の晩年にはその代作、及び代銘を同門の正盛とともに多くなすという。

 本作は、薩摩刀特有の平肉の豊かにつき、身幅広く、中鋒の延びた手持ちのズシリと重い堂々たる体配となり如何にも迫力がある。地鉄は、板目が総体によくつみ、刃寄りがやや柾がかり、地沸が厚くつき、処々叢沸状となる。刃文は、父:正清を髣髴とさせる志津風にて、浅い小のたれを主調に互の目・小互の目に、少しく尖り刃を交え、小沸つき、焼き刃の上部に荒沸が総体につき、金筋・砂流しかかり、湯走り・打ちのけなどを交え、刃中よく働いている。

 享保15年に、父:正清が死去した後の数少ない正近自身作にして、製作年紀も貴重であり、同作中の優品といえる。

備考

新刀 中上作。

宮原正近1
宮原正近2
宮原正近3
宮原正近4

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