広木弘邦

無鑑査

平成二年新作名刀展 優秀賞受賞作品

No.A00146

白鞘  金無垢一重太刀ハバキ

     売 約 済

刃長 : 81.5cm  (2尺6寸9分) 反り : 2.8cm  (9分)

元幅 : 3.1cm 先幅 : 2.2cm 元重 : 0.8cm 先重 : 0.5cm

登録証

神奈川県教育委員会

平成02年11月02日

: 神奈川県

時代 : 現代 平成二年 1990年

鑑定書

 

相模国住弘邦造

自灯庵仙e彫之

平成二庚午年三月日

形状

 

刃文

 

帽子

彫物

鎬造、庵棟、身幅広めに、重ねやや厚く、長寸にて、反りよくつき、中鋒に結ぶ優美な太刀姿となる。

小板目肌よく錬れてつみ、処々柾がかり、地沸つき、地景入り、淡く乱映り風たつ。

浅くのたれごころを帯びた中直刃を基調に、足・逆足よく入り、足で小互の目を形成し、部分的に逆がかり、匂深く、匂い勝ち小沸つき、金筋入り、ささやかな砂流しかかる。

直ぐ調に浅くのたれ、小丸に短く返る。

表裏に丸留の棒樋刻し、元に佩表は倶利伽羅、また、裏は長梵字の浮彫がある。

生ぶ、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔一。

説明

広木弘邦刀匠は、本名を広木順一といい、昭和23年、福岡県に生まれる。人間国宝:隅谷正峯刀匠に師事し、独自の研究を重ね青江写しを得意としている。昭和43年、文化庁より作刀承認を得る。昭和48年、神奈川県厚木市に鍛刀場を開設する。平成8年、(公)日本美術刀剣保存協会の無鑑査に認定される。近年、佐野美術館における新作刀展において講演などを行い、新作刀の普及啓蒙に活躍している。

本作は、広木刀匠による備前長船景光の名物「小竜景光」写しの優品である。身幅がやや広く、重ねが厚めで、反りが高く、鋒が中鋒に結んだ鎌倉後期の優美な太刀姿となる。地鉄は、精美な地鉄に小沸がつき、淡く乱映りが立つことに成功している。刃文は、直刃を基調とし、足でもって小互の目を形成し、景光写しであるため総体に逆ごころなり、刃中に金筋・砂流しなどの働きが美しい。彫物は刀身彫刻家の苔口仙e師による入念な倶利伽羅が見事である。

「小竜景光」は、元来は2尺6寸7分ほどの太刀を約2寸5分磨上げ、2尺4寸3分9厘となっており、磨上げによって竜がハバキ上に覗いて見られることから一名「覗き竜景光」とも称せられる。広木刀匠は磨上げられた本歌を生ぶの姿への復元に挑戦し、彫物は苔口仙e師が「小竜」を師独自の境地にアレンジしている。茎にも反りをつけるなど古作を忠実に写している。「小竜景光」写しは広木刀匠の師である人間国宝:隅谷正峯刀匠にもあり、本作は師の作品にも私淑したものであろう。尚、同年の(公)日本美術刀剣保存協会の新作名刀展の出品作であり、堂々の優秀賞に輝いた広木弘邦刀匠が42歳の最高傑作の一振りである。研磨・白鞘・ハバキなども最上の工作となっており、コンディションも良好である。

備考

無鑑査

<小竜景光について>

鎌倉後期の備前長船三代左兵衛尉景光の作。小竜景光、覗き竜景光、楠公景光。

刃長 : 73.9cm  (2尺4寸3分9厘) 反り : 3.0cm  (1寸弱)

元来は2尺6寸7分のものを約2寸5分程磨上げ

倶利伽羅の彫物から「小竜景光」と呼称され、また磨上げによって竜がハバキ上に僅かに覗いて見られることから一名、「覗き竜景光」とも、また一説に楠正成の佩刀と伝えられることから「楠公景光」とも称せられて棋界に名高く、備前景光の最高傑作である。

伝来については、幕末に山田浅右衛門の手により突如世に出て、楠正成より豊臣秀吉というのは浅右衛門による捏造である。浅右衛門の孫が井伊家に仕官した際に御礼として献上され、後に再び同家に戻る。井伊家に上る前後の弘化4年と文久2年に固山宗次がそれぞれ生ぶの姿に復元した写しと磨上げの態の写しを製作している。明治6年、山田家より大久保一翁の手を経て宮内省に献上され、以来、御物となり、現在は東京国立博物館の蔵となる。国宝指定。

広木弘邦1
広木弘邦2
広木弘邦3
広木弘邦4

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