長綱

特別保存刀剣 NBTHK Tokubetsu Hozon Paper

No.A00127

(附) 貝微塵塗鞘打刀拵

白鞘  銀無垢二重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 63.2cm  (2尺0寸8分強) 反り : 1.3cm  (4分)

元幅 : 2.95cm 先幅 : 2.1cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.45cm

登録証

愛媛県教育委員会

昭和40年11月29日

: 摂津国 (大阪府-北西部・兵庫県-南東部)

時代 : 江戸時代中期 寛文頃 1661-1672年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

特別保存刀剣鑑定書

平成20年05月30日

摂州住藤原長綱

形状

 

 

刃文

 

帽子

鎬造、庵棟、身幅尋常にて、重ねやや厚く、平肉豊かにつき、元先の幅差あり、反りやや浅く、中鋒となる典型的な寛文新刀姿となる。

小板目よく錬れつみ、鎬地は柾となり、沸細かつき、地景入り、美しい肌合いとなり、淡く映りごころあらわれる。

ハバキ元に直ぐの大阪焼出しをみせ、その上は、互の目丁子乱れ、足長く入り、小沸つき、刃中、丁子足を切る形で長く砂流し入る。

直ぐに焼きやや深く、先小丸に品よく返る。

生ぶ、先急な刃上がり栗尻、鑢目大筋違、目釘孔一。

 

縁頭

目貫

貝微塵塗鞘打刀拵 総長 : 93.4cm

竪丸形、鉄磨地、薄肉彫、金象嵌色絵、片櫃孔赤銅埋、如璋

高さ:7.7cm 幅:7.1cm 厚さ:0.4cm

白鮫着、赤茶糸菱巻。長さ:21.4cm

菊尽図、素銅地、薄肉彫、石黒政常(花押)(と銘がある)

菊尽図、赤銅地容彫、金銀色絵

説明

長綱は、北村市右衛門といい、初代:近江守忠綱の門人となる。銘文に、自ら「聾」と切ったものがみられ、「聾長綱」と通称される。作風は、身幅広く、しっかりとした刀が多く、刃文は、師:初代忠綱同様に焼きの深く、足が長く入った足長丁子を得意とし、上手である。「業物」としても著名である。

本刀は、典型的な寛文新刀の姿で、寸法の割に手持ちがズシリと重く、このことは如何に当時のままの状態であるかを物語っている。地鉄は、精美な肌合いに、刀表、ハバキ元より約19cmの地鉄の中に矢傷かと思われる様な小さな傷があるが、美観を損なうほどのものでは無い。刃文は、師:初代忠綱を髣髴とさせる見事な互の目丁子乱れを破綻無く焼き、砂流しが幾重にもかかるなど刃中よく働いている。

この時代の定寸は二尺三寸前後であるが、この刀は二尺八分強と短めで、これは特別な注文によるものであろう。大阪新刀の中には、まま二尺前後にて傑出した作品が見られ、これは商人の町:大阪という土地柄をよく顕したもので、「名字帯刀」を許された大富豪の特別注文によるものといわれている。

長綱の典型的な足長丁子を見事に焼き、地刃健全にて、添えられている時代拵からも当時の持主を想像出来る優品である。

備考

新刀 上作。

業物。

 

刀表、ハバキ元より約19cmの地鉄の中に、美観を損なうほどのものではありませんが、矢傷と思われる小さな傷があります。

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