当麻

保存刀剣 NBTHK Hozon Paper

No. A00040

白鞘  金着二重ハバキ

  売約済

刃長 : 54.3cm  (1尺7寸9分) 反り : 1.0cm  (3分強)

元幅 : 2.75cm 先幅 : 2.0cm 元重 : 0.5cm 先重 : 0.45cm

登録証

東京都教育委員会

昭和26年03月31日

: 大和国 (奈良県)

時代 : 鎌倉時代後期

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀剣鑑定書

平成18年08年31日

(無銘) 当麻

形状

 

刃文

 

 

帽子

彫物

鎬造、庵棟、身幅尋常、元先の幅差さまでつかず、重ね頃合にして、反り浅くつき、中鋒延びる。

板目に杢を交え、処々に柾肌あらわれ、地沸つき、地景入り、淡く沸映り立つ。

浅くのたれごころを帯びた中直刃を基調に、小互の目交じり、足よく入り、匂深く、沸微塵に厚くつき、金筋入り、砂流しさかんにかかり、刃縁に打のけ・湯走り風など交え、明るく冴える。

直ぐ調に、小丸に浅く返り、先掃きかける。

表裏に、棒樋を掻通し、添樋を掻流す。

大磨上、先栗尻、鑢目浅い勝手下がり、目釘孔一。(天正上げ)

説明

大和五派の一つ当麻派は、国行を祖として、鎌倉時代後期より南北長期にかけて繁栄している。銘鑑等では、一派の幾多の刀工名を挙げているが、現存する在銘作は僅少で、多くは無銘極めである。本阿弥家などによる古極めの中には、地刃の沸が目立って強く、地景・金筋を織りなした相州気質の混在したものが見られ、数少ない有銘作の作風とは相違があるが、恐らく往時これに類する有銘作が存在したものと推察される。

この脇指は、大磨上無銘であるが、大和伝に相州気質が加わった作域で、迫力のある優れた出来映えを表しており、当麻と鑑するのが妥当である。焼刃の景色に変化が見られ、またかねが精良であることも特筆される。

口伝ではあるが財閥:三井家に伝わったものであり、古極は相州行光であったという。

極めにおいて、沸づいて刃中の働きが盛んであり、やや刃取りが穏やかなものは相州行光、大和当麻に極められるものが多いが、その差は僅差である。本刀は古極では相州行光と伝えられているというがそれも納得である。

茎は、非常に丁寧に磨上げられており、浅い勝手下がりの鑢をかけられ、先は栗尻となっている。この様な磨上げの形式を天正上げといい、もうひとつの形式である慶長上げとともに古名刀が磨上げられたものは概ねこの二つの何れかになっているものが多い。

この脇指は地刃の出来が優れており、いかにも名家に伝えられた優品である。

備考

最上研磨済。

当麻
当麻
当麻

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